ドローンのカメラが中国のIPアドレスに信号を送信していることが判明、イギリス海軍がカメラのインターネット接続機能を無効化しなければいけない事態に

セキュリティ

イギリス海軍の管理下にある海兵隊が使用する無人偵察艇の「K3スカウト」に搭載されていたスパイカメラが、中国に信号を送信していることが明らかになりました。これを受け、イギリス海軍はカメラのインターネット接続機能を無効化しています。

Spy cameras on Navy drones secretly sent data to China

https://www.telegraph.co.uk/news/2026/08/09/spy-cameras-on-navy-drones-secretly-sent-data-to-china/

Spy cameras on Navy drones used by UK's elite special forces sending signals to China as security fears grow | LBC https://www.lbc.co.uk/article/royal-navy-spy-drones-sending-signals-to-china-5Hjdfpm_2/

Cyber vulnerability sweep picks up Royal Navy drones sending data to China

https://www.theregister.com/edge-and-iot/2026/08/10/cyber-vulnerability-sweep-picks-up-royal-navy-drones-sending-data-to-china/5285430

UK's Royal Navy sea drones contain component that secretly sent data to China, report claims — government cuts camera connectivity and insists data wasn’t sensitive, only ‘heartbeat communications’ | Tom's Hardware

https://www.tomshardware.com/tech-industry/drones/uks-royal-navy-sea-drones-contain-component-that-secretly-sent-data-to-china-report-claims-government-cuts-camera-connectivity-and-insists-data-wasnt-sensitive-only-heartbeat-communications

イギリスの日刊紙・The Telegraphの報道によると、イギリス海兵隊が無人偵察艇・K3スカウトに対して定期的なサイバー脆弱(ぜいじゃく)性評価を行っている最中に、K3スカウトに搭載されているカメラが中国のIPアドレスにハートビート通信を送信していることが明らかになりました。ハートビート通信は、機器が正常に動作していることを知らせる信号です。

イギリス国防省の報道官は、K3スカウトのカメラが発するハートビート通信について、「徹底的な調査の結果、国防省のデータやシステムが外部にアクセスされたり、侵害されたり、外部に送信されたりした証拠は見つかりませんでした」と報道各社に説明しています。 イギリス海兵隊は2026年3月からK3スカウトを使用しており、イギリス海軍はカメラが中国に信号を送信していることが発覚した後、カメラのインターネット接続機能を遮断せざるを得なくなりました。

K3スカウトはイギリスのハンプシャー州ファレハムに拠点を置くKraken Technology Groupによって製造されていますが、搭載されているカメラは第三者サプライヤーから供給されたものとみられています。 イギリス海軍は無人システムを迅速に最前線に投入することを目的とした「Operation Beehive」と呼ばれる計画に基づき、K3スカウトを20機購入しています。購入にかかった費用は1200万ポンド(約25億8000万円)相当です。 K3スカウトは監視・部隊保護・精密攻撃任務を遂行することが期待されており、イギリス海軍は無人艇と有人の軍艦を組み合わせたハイブリッド艦隊の編成を計画しています。K3スカウトのような無人艇は、人間の乗組員が危険な任務に従事することを避けるために用いられる予定です。実際、イギリス国防省はホルムズ海峡を渡る船舶を保護するために、K3スカウトを配備する可能性があると言及しています。

2026年3月末、サイバーセキュリティ企業のRapid7は、通信ネットワークや政府ネットワークへの永続的なアクセスを確立することを目的としたキャンペーンの背後に、中国と関連のある高度な脅威アクターの「Red Menshen」が存在すると発表しました。

BPFdoor in Telecom Networks: Sleeper Cells in the backbone

https://www.rapid7.com/blog/post/tr-bpfdoor-telecom-networks-sleeper-cells-threat-research-report/

Red Menshenは即時的な混乱を引き起こすことを目的とした従来通りのサイバー攻撃を行っているわけではなく、攻撃者がネットワーク内部に潜伏し、数カ月、あるいは数年にわたって身を隠し、通信を監視したり、ネットワークへのアクセス権限を悪用したりする能力を保持する可能性があることが懸念されていました。

Rapid7のサイバーインテリジェンス担当ヴァイスプレジデントを務めるクリスティアン・ビーク氏は、イギリス・ロンドンを拠点とする大手ニュースラジオ局のLBCに対して、「Red Menshenは巧妙なBPFDoorマルウェアで知られ、政府や通信ネットワーク内での長期的なスパイ活動に重点を置く、中国とつながりのある高度なグループです。彼らは高い価値を持つ戦略的情報を引き出すために、粘り強く徹底的に調査することに長けている」と語りました。

Red Menshenはこれまでアジアや中東、アフリカを拠点に活動を続けてきましたが、Rapid7によるとその活動範囲は世界全土に広がっており、アメリカやヨーロッパでもその活動が確認されています。

Rapid7の指摘により、中国によるサイバー攻撃に対する懸念が高まる中で、K3スカウトのカメラが中国と通信していることが発覚とLBCは指摘。LBCは「敵対国が重要インフラ内部に『事前配置』を試み、将来の危機や衝突の際に悪用される可能性のあるアクセス権を獲得しようとしているという、イギリスの情報機関関係者による度重なる警告と一致するものです」と報じました。 なお、イギリスの主要な情報・サイバーセキュリティ機関である政府通信本部(GCHQ)は、中国を「高度に洗練された高い能力を持つサイバー脅威」と表現しています。

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