米国が「壊滅的な」対ロ制裁課す法案に幅広い支持-グラム上院議員

Steven T. Dennis

  • 上院議員72人の支持得たとグラム議員-「大統領を支援する狙い」
  • ロシア産石油などの購入国からの輸入に500%関税課す措置含まれる

トランプ米大統領の盟友の1人である共和党のグラム上院議員は4月30日、ウクライナでの戦争終結に向けた真剣な交渉にロシアのプーチン大統領が応じない場合、新たに「壊滅的な」対ロ制裁を課す法案について、上院議員72人の支持を得たと明らかにした。法案にはロシア産の石油や天然ガスなどを購入する国・地域に関税を課す措置も含まれる。

  グラム議員は法案について「大統領を支援する狙いがある」と記者団に述べた。この日にはウクライナの天然資源へのアクセスに関する協定に同国と米国が署名した。この合意は、ロシアとの和平交渉からトランプ氏が手を引くのではないかと懸念していたウクライナ側に一定の安心感を与えた。

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  ブルームバーグ・ニュースが確認した法案の草案によると、制裁にはロシア産の石油、石油製品、天然ガス、ウラン購入国からの輸入に500%の関税を課す措置が含まれる。また、米市民によるロシア国債購入禁止が盛り込まれた。

  グラム議員はトランプ氏について「いら立ちを口にしていた」とし、「私としては、尊厳を保ちつつ公正な形で戦争を交渉で終結させたい。トランプ氏はそうした目標達成に最も適した人物だと思うが、これらの制裁は、主な悪者はロシアだという上院の見解を反映している」と指摘した。

  さらに、プーチン大統領について「トランプ氏を操ろうとするのは大きな過ちになる。この法案はトランプ大統領が利用できる手段の一つだ」と明言。また、下院でもこの制裁法案を本会議に持ち込む上で十分な支持を得ていると表明した。

  その上で、戦争終結に向けトランプ氏と本格的な交渉に臨むか、ロシア経済の「破壊」を受け入れるかのどちらかを、プーチン大統領が最終的に選択せざるを得ないとの見方を示した。

  ホワイトハウスは30日夜の時点でコメント要請に応じていない。

原題:Graham Says He Has Broad Senate Support for New Russia Sanctions(抜粋)

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