話題株ピックアップ【夕刊】(1):フジクラ、ラウンドワン、Syns

フジクラ <日足> 「株探」多機能チャートより
■フジクラ <5803>  4,710円  +700 円 (+17.5%) ストップ高   本日終値  東証プライム 上昇率4位  フジクラ<5803>がストップ高。トランプ米大統領が相互関税の一部について90日間停止するとSNSに投稿し、9日の米国市場でNYダウは過去最大の上げ幅を記録した。これを受け東京市場では主力株は全般的に買い戻しが優勢となった。このうちフジクラをはじめとする電線株はデータセンター関連での需要拡大の期待から大きく株価水準を切り上げていたこともあり、深押しを余儀なくされていたが、その分、米国株の急落一服を受けたショート・ポジション解消目的の買いが殺到している。住友電気工業<5802>や古河電気工業<5801>、SWCC<5805>も急伸している。

■ラウンドワン <4680>  941円  +130 円 (+16.0%)  本日終値  東証プライム 上昇率7位

 ラウンドワン<4680>が後場一段高。同社はきょう午前11時30分ごろ、3月度の売り上げ状況(速報値)を公表。国内既存店売上高は前年同月比7.0%増となり、伸び率が前月(3.9%増)から拡大したことが好感されたようだ。国内既存店ではボウリングが同10.2%増と伸びたほか、スポッチャも同8.2%増と伸長した。また、直近(3月31日~4月6日)の既存店売上高は前年同週比で約14%増になっているという。なお、3月度の米国の既存店売上高は前年同月比2.1%増だった。

■Synspective <290A>  1,148円  +150 円 (+15.0%) ストップ高   本日終値

 Synspective<290A>が急反発し年初来高値を更新した。9日の取引終了後、航空自衛隊の入札案件「宇宙システムにおけるセキュリティガイドラインの作成」を受注したと発表しており、好材料視された。同案件は、航空自衛隊の装備品である宇宙システムに対して、個々の宇宙システムに対するセキュリティ管理策を策定するための指針となる標準的なガイドラインの作成に関するもので、日本の防衛テックスタートアップであるスカイゲートテクノロジズ(東京都渋谷区)と共同で実施する。契約金額は9999万円で、契約期間は25年2月3日から26年2月27日までという。同時に、防衛省情報本部の「画像調達案件」を落札したと発表した。落札金額は8700万円で、契約期間は25年4月9日から26年3月31日までとしている。

■トレファク <3093>  1,954円  +237 円 (+13.8%)  本日終値

 トレジャー・ファクトリー<3093>が大幅反発。9日の取引終了後に発表した26年2月期連結業績予想で、売上高462億5200万円(前期比9.6%増)、経常利益44億4100万円(同8.8%増)を見込み、年間配当予想を前期比3円増の39円としたことが好感された。アプリ会員の獲得などの継続的な取り組みによる買い取り・販売件数増加を見込む一方、外部環境の不透明な見通しを考慮し、単体既存店売上高は前期比2%増を予想。一方でグループで年間30~35店舗(前期24店舗)の新規出店を計画しており、業績拡大を見込む。なお、25年2月期決算は、売上高422億700万円(前の期比22.5%増)、経常利益40億8200万円(同20.4%増)だった。同時に28年2月期に売上高589億円、経常利益56億円を目指す中期経営計画を発表した。年間30~40店のペースで関東、関西、東海、九州などを中心に新規出店を行うほか、相乗効果・補完関係のあるリユース周辺事業やその他の事業に継続的に投資を行い成長基盤の拡大を図る方針。また、相乗効果や補完関係のあるM&Aを積極的に実行するとした。

■アドバンテスト <6857>  5,903円  +713 円 (+13.7%)  本日終値

 アドバンテスト<6857>に買い注文が集中したほか、ディスコ<6146>、東京エレクトロン<8035>なども軒並み高の展開となった。前日の米国株市場ではマグニフィセントセブンなど大手IT株を中心に大きく買い戻され、特に画像処理半導体大手のエヌビディア<NVDA>は18.7%高と値を飛ばした。半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も同じく18.7%高と記録的な急騰を演じており、これを受けて東京市場でも半導体関連が一気に買い戻される展開となっている。アドテストはエヌビディアを主要顧客としており、エヌビディア急騰に追随する格好で空売り筋のショートカバーも株価に浮揚力を与えている。

■三菱重工業 <7011>  2,511.5円  +288 円 (+13.0%)  本日終値

 三菱重工業<7011>と川崎重工業<7012>が急反発。トランプ米大統領が9日に相互関税の上乗せ分について一部の国・地域で90日間停止すると表明したことを受け、全体相場が急騰しているが、重工大手で防衛関連株の両社株も急伸している。特に、川重は値幅制限いっぱいのストップ高に買われた。SMBC日興証券は9日、両社株の投資評価「1」を継続した。三菱重の目標株価は2800円から2900円に見直したほか、川重は8700円から9400円に引き上げた。三菱重について、株価は下落基調にあるが「同社の防衛事業のポテンシャルやディフェンシブ性は変わっておらず引き続き株価上昇が期待できる」と指摘。26年3月期以降も増収増益が可能と予想している。川重については、引き続きセクター内でのトップピックとして推奨。26年3月期には、パワースポーツ&エンジン(PS&E)を含む全事業で事業利益率改善が可能とみており「防衛以外にも好材料がある銘柄」として評価している。

■芝浦電子 <6957>  4,700円  +510 円 (+12.2%)  本日終値

 芝浦電子<6957>は大幅高。ミネベアミツミ<6479>は10日午後1時45分、芝浦電子に対しTOB(株式公開買い付け)を開始する予定だと発表した。発表に先立ち、日本経済新聞電子版が同日未明、「ミネベアミツミがセンサー大手の芝浦電子に買収提案する」と報じていた。台湾の電子部品大手の国巨(ヤゲオ)のTOBに対抗し、事実上のホワイトナイト(友好的な買収者)となる。ミネベアによるTOB価格は1株4500円を予定。国巨によるTOB価格4300円を上回る。芝浦電子の時価は、ミネベアによるTOB価格を上回って推移している。買付予定数の下限は753万9900株(所有割合50.01%)で、上限は設定せず、23日をメドに買い付けを開始する予定。TOB成立後、芝浦電子は所定の手続きを経て上場廃止となる見通し。芝浦電子はミネベアによるTOBに賛同の意見を表明した一方で、国巨のTOBに対しては反対の意見表明を行った。両社の発表を受け、東京証券取引所は10日午後1時45分から午後2時10分まで芝浦電子の株式売買を停止。同日付で芝浦電子の株式を監理銘柄(確認中)に指定した。

■フジHD <4676>  3,304円  +308.5 円 (+10.3%)  本日終値

 フジ・メディア・ホールディングス<4676>が大幅に3日続伸。3000円の大台をクリアして年初来高値を更新した。アクティビストとして知られる村上世彰氏の長女、野村絢氏らがフジHDの株式を買い増していたことが9日の取引終了後に明らかになり、思惑視されたようだ。同日、レノ(東京都渋谷区)が提出した変更報告書によると、共同保有割合は8.74%から9.77%に上昇した。報告義務発生日は2日。保有目的には「投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと」と記載している。

■ウイングアーク1st <4432>  3,550円  +330 円 (+10.3%)  本日終値

 ウイングアーク1st<4432>が後場一段高。正午ごろに発表した26年2月期連結業績予想で、売上高303億円(前期比5.5%増)、営業利益89億円(同8.3%増)、純利益63億6000万円(同7.3%増)と連続営業最高益更新を見込むことが好感された。前期の大型案件の反動でBDS(帳票・文書管理ソリューション)の成長率は低下するものの、DE(データエンパワーメントソリューション)はクラウドを中心に堅調に成長する見通し。なお、25年2月期決算は、売上高287億800万円(前の期比11.5%増)、営業利益82億1600万円(同12.4%増)、純利益59億2900万円(同9.6%増)だった。

■セブン&アイ <3382>  2,030円  +181.5 円 (+9.8%)  本日終値

 セブン&アイ・ホールディングス<3382>が急伸。9日の取引終了後、25年2月期の連結決算発表にあわせ、取得総数4億株(自己株式を除く発行済み株式総数の15.4%)、取得総額6000億円を上限とした自己株式の取得枠設定を発表し、材料視されたようだ。取得期間は4月10日から26年2月28日を予定する。26年2月期の売上高予想は前期比10.1%減の10兆7610億円、最終利益予想は同47.3%増の2550億円とした。年間配当は同10円増配の50円を計画する。国内コンビニエンス事業で増収増益を計画するほか、海外コンビニエンスストアやスーパーストア事業での利益を増加させる方針。25年2月期の売上高は前の期比4.4%増の11兆9727億6200万円、最終利益は同23.0%減の1730億6800万円だった。 ⇒⇒最高10万円が当たる! 「個人投資家大調査」を実施中 ⇒⇒「株探」では、ただいま「個人投資家大調査-2025」を実施しています。 ⇒⇒アンケートにご回答いただいた方から、抽選で「QUOカード」を1名の方に10万円分、3名の方に5万円分、25名の方に1万円分を差し上げます。 ⇒⇒アンケートは4月15日(火)午後6時30分までの予定ですが、回答数の状況で、予定より前に終了することもあります。

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