【日本株】2026年上半期の株価上昇率トップ3を検証。日経平均大幅高の背景にある「業績の裏付け」と下半期の焦点
6月30日で、2026年の株式市場は半年が経過した。高市内閣の経済活性化策、いわゆる「サナエノミクス」への期待感や、世界経済の堅調さなどが手掛かりとなり、株価は大きく上昇した。トランプ米大統領によるイラン攻撃で原油価格が上昇し、インフレやサプライチェーンに対する懸念が浮上したが、株式市場への影響は限定的だった。物色面では、半導体・AI(人工知能)やデータセンター関連株がけん引役となっている。
特徴的だったのは、日経平均株価の上昇率の高さだ。背景には、半導体製造装置や電子部品、パッケージ、メモリなど半導体やデータセンター関連の値がさ株の構成比が高いことがある。2025年末から半年間の上昇率(原稿執筆時の6月26日現在)は38%と、加重平均型のTOPIXの上昇率16%を大きくアウトパフォームしている。また、米国市場でハイテク株の比率が高いナスダック総合指数も上回っている。
一方、韓国の株価指数であるKOSPIは日経平均を大きく上回った。KOSPIはDRAMとNANDフラッシュメモリの両方を手掛けている半導体メーカーのサムスン電子とSKハイニックスの2銘柄で、時価総額の過半を占める。2銘柄の上昇がけん引した格好だ。
株価上昇を正当化する業績の裏付け。日経平均のPERはむしろ低下傾向に
日経平均が優位となった背景には、業績の裏付けがある。要因の一つは、4~5月に発表された2026年3月期決算で、日経平均採用銘柄の2027年3月期の業績見通しが良好だったことだ。全般的には原油高の影響もあり、慎重な見方をする企業も多い。一方で、半導体やデータセンター関連では需要の増加を背景に、強気の予想を出す企業が多くみられる。結果的に日経平均の1株利益が上昇している。株価が全体として上昇しているにもかかわらず、PERはむしろ低下傾向にある。ただ、日経平均の1株利益予想はウエイト調整をしていない点には留意したい。
2026年上半期・株価上昇率ランキングトップ3:AI・データセンター関連が席巻
第1位:キオクシアホールディングス(285A)
上半期の上昇率ランキングの首位は、ダントツでキオクシアホールディングス(285A)だ。
半年間で株価は実に8.8倍。2025年末は1万435円だった。同社はNANDフラッシュメモリの世界大手。NANDフラッシュメモリは長期の記憶を担当する半導体で、データセンターの記憶媒体であるSSD(ソリッドステートドライブ)向けに需要が急増している。需給のひっ迫で価格が上昇しており、採算も改善している。
同社の業績予想は直近四半期分のみで、2027年3月期第1四半期(2026年4~6月)の営業利益は1兆2980億円(前年同期比29倍)を見込んでいる。前四半期(2026年1~3月)に比べても2.2倍と、驚異的な伸びとなっている。
第2位:太陽誘電(6976)
第2位は太陽誘電(6976)で、2025年末から4.7倍となっている。
同社は積層セラミックコンデンサ(MLCC)の大手。MLCCは電気を蓄えて放出したり、電気の流れを整えたりして、電流を制御する電子部品だ。セラミック製の誘電体層と金属の電極層を相互に何層も積み重ねた構造をしている。小型ながら大容量を実現できる。近年ではデータセンターをはじめとしたAIサーバー向けの需要が増加。同社ではMLCCの高性能な新製品を投入するなど、ニーズに応える商品を提供している。
第3位:古河電気工業(5801)
第3位は古河電気工業(5801)で、2025年末から4.5倍になった。
同社は電線御三家の一角で、光ファイバーでは世界有数。生成AI関連の部材の引き合いが活発になっている。データセンター関連では、水冷モジュール製品の量産を2026年6月から開始。高密度通信環境で効率的な光ファイバー接続に欠かせない「MTフェルール」や、超多芯光ファイバーケーブルである「ローラブルリボンケーブル」、光半導体製品などが大きく伸びている。
なお、半年間で株価が2倍以上になったのは50銘柄だった。
下落率が目立ったイオン(8267)
一方で、明暗が分かれた銘柄もあった。主力銘柄の中で下落率の高さが目立っているのはイオン(8267)だ。下落率は47%と2025年末から約半分にまで売り込まれている。同社は国内流通の最大手で、総合スーパーや食品スーパーを全国展開している。
株価は2025年、小型食品スーパーの「まいばすけっと」の拡大などを手掛かりに上昇した。一方、4月に発表した2026年3月期決算で営業利益が2705億円(前年比14%増)と、計画の2750億円をやや下回ったことなどを嫌気した。今期の営業利益は3400億円(前期比26%増)予想で、連続最高益更新予想。アナリストは「物価高に伴う仕入れ価格の上昇や人件費増の影響を見極めたい」としていた。
2026年下半期の焦点は「物色の広がり」。TOPIX型企業のキャッチアップなるか
2026年後半相場に向けては、半導体やデータセンター関連の人気が持続するのか、物色の流れが変わるのかが最大の焦点だ。今後を占ううえで注目されるのが、7月下旬から本格化する第1四半期決算である。イラン戦闘終結期待により、原油価格が下落基調にある。原油価格が高かった期初では、多くの企業が慎重な見通しになったと思われる。決算で、ハイテク以外の企業が業績予想を上乗せするかに注目が集まっている。物色が広がるようなら、TOPIX型企業の株価のキャッチアップが期待できる。
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