AI失業について「ChatGPT」に質問すると…日本では4年後までに“700万人が失業”と衝撃回答 “消滅危機”と名指しされた“さむらい業”の具体名とは

 近年、AIの性能が急上昇しており、場合によっては“人類の脅威”と受け止める世論も増えてきた。安野氏が言及したAI失業はその代表例だろう。担当記者が言う。 「私たち日本人にとって衝撃的だったのは、東京・渋谷区の『ライフプロンプト(Life Prompt)』という会社が、今年度の大学入学共通テストを複数の最新生成AIに解かせた結果でした。6教科15科目の得点率は何と97%に達し、9科目が満点だったのです。日経新聞は1月20日の記事で『もはやAIは難関大学に入学できるだけの知能を備え、幅広いデスクワークを担える能力を改めて示した』と伝えました」(註)  日経の記事で注目すべきは《幅広いデスクワークを担える能力を改めて示した》の部分だろう。すでにAIは様々な人間の仕事を代行することが可能になっており、AI失業は現実の課題であって未来の話ではない。 「アメリカでは早くもAI失業が発生しています。ニューヨーク連邦準備銀行が昨年4月に発表した報告書によると、22歳から27歳までの大卒以上は失業率が5・8%。労働者全体の失業率4・0%と比べて1・8%も上回りました。特に『コンピューターサイエンス』を専攻した若者の失業率が6・1%、『コンピューター工学』の若者は7・5%と、共に平均の5・8%より高かったのです」(同・記者)

 これまでアメリカではIT企業が好景気を牽引してきた。大学でコンピューターを学んだ学生が新卒で採用されれば、新入社員でも年収1000万円は当たり前だった。 「ところがAIの急速な発達で、初歩的なプログラミングなど基礎的な業務はAIに任せられることが分かりました。このためIT企業が新卒採用を控え、アメリカで若者の失業率が上昇したのです。この流れは加速する一方で、グーグル、マイクロソフト、メタ、インテル、IBM、JPモルガン・チェースといった有名・名門企業もAIによる業務効率化と人員削減を推し進めていることが判明しています」(同・記者)  結果、アメリカでは「ホワイトカラー」の就業状態が厳しさを増している。その一方、AIに置き換えられない「ブルーカラー」の仕事は脚光を浴びている。  建設、配管、運送などの業界では年収が数千万に達する労働者も出現しており、「ブルーカラーミリオネア」と呼ばれている。  では、AIはAI失業がどれくらいの規模に達すると予測するのだろうか。ChatGPTに「2030年までに世界と日本でどれくらいの人がAIを原因として失業するのか?」と質問してみた。


Page 2

「大量処理」なら、例えばクマを駆除した自治体に無礼な抗議電話が殺到した時などは、まさにAIの出番だろう。人間の自治体職員なら対応に忙殺されて疲弊し、精神的に追い詰められても不思議ではない。だがAIなら、たとえ1億人から罵声を浴びせられても淡々と処理するはずだ。  そして税理士、会計士、行政書士、司法書士といった「さむらい業」であっても「定型・ルール・大量処理」の判断基準から「AIと置き換えが可能」判断したのだという。  こうした職業は国家試験に合格した人しか携われず、高い能力の持ち主というイメージが今も根強い。知的エリートが担う高度な仕事と思われており、それは人間の尺度だけなら確かにその通りなのだ。  だが帳簿の作成やチェック、各種書類の作成といった業務は、まさにAIにとっては「定型的であり、ルール化が可能」な仕事だろう。おまけにAIなら大量の業務を極めて早く処理してしまう。人間の「さむらい」が敵うところではない。  依頼主に対するアドバイスも重要な業務だが、ある程度であれば雑談を交えながら自動音声で難なくこなしてしまうのは前に見た通りだ。  これだけでもAIは我々人間にとっては充分な脅威だと言える。ところが駒澤大学経済学部准教授で経済学者の井上智洋氏は「ChatGPTの回答は集合知的というか、現在のネット上で流布している言説を中心にまとめたものだということに注意が必要でしょう」と指摘する。

 井上准教授は大学でコンピュータ・サイエンスを専攻し、AIに関するゼミに所属していた。その後、マクロ経済学を専門とする経済学者に“転身”したのだが、AIと経済学の豊富な知見を活かして『AI失業 生成AIは私たちの仕事をどう奪うのか?』(SB新書)、『人工知能と経済の未来』(文春新書)などの話題作を次々に上梓している。 「AIが人間の雇用に悪影響を及ぼすのは間違いありません。しかしながら、それは『ホワイトカラーの仕事はAIに置き換えられてしまうので失業者は増加するが、ブルーカラーなら雇用は維持される』といった限定的なレベルではありません。『肉体労働も含めて多くの人間の生産活動がAIとそれを組み込んだロボットによって自動化され、経営幹部など少数の人間を除くと、全人類が失業する』という世界が確実に到来します。私たちは今すぐ、失業に備えて準備を始める必要があるのです」(同・井上准教授)  第2回【みずほFG「5000人削減」の衝撃 企業に必要な人間は「トップと役員、少数の営業担当ぐらい」…AIの爆発的な進化がもたらす「人類総“無職”時代」のリアルを気鋭の経済学者が解説】では、全人類が失業した未来社会で、果たして私たちはどうやって生きていけばいいのか、そして人類は何にアイデンティティを見出すのか、という極めて根本的で重要な問題について詳しくお伝えする──。 註:大学入学共通テスト、OpenAIは9科目満点 得点率97%でGoogleに勝利(日本経済新聞電子版:1月20日) デイリー新潮編集部

新潮社

デイリー新潮
*******
****************************************************************************
*******
****************************************************************************

関連記事: