「スペインのゲーム業界ってどうなんですか?」同国初のスイッチ2ゲーム『シタデルム』開発者に訊く(Game Spark)

スペインに拠点を置くAbylight Studiosは、1月22日にニンテンドースイッチ2で『シタデルム(シタデルム)』を発売しました。本作はスペインのゲーム開発者としては初となるスイッチ2向け作品です。 【画像全4枚】 本作は、古代ローマを舞台に都市建設・内政・軍事・宗教などストラテジーのさまざまな要素を楽しめるゲームです。最初は荒野に入植しますが、やがては地中海に秩序をもたらす帝国の創造車となっていきます。巨大な神々による加護を受けたり、逆に罰を受けたりといった要素が特徴的です。 本記事では、Abylight Studiosのデビッド・マルティネス氏にインタビューを実施。スペイン初のスイッチ2向けタイトルという快挙を起点に、同国のゲーム業界事情もお聞きしました。 ――まずは自己紹介と、スタジオについて教えてください。 デビッド: 私の名前はデビッド・マルティネスです。現在はAbylight Studiosでマーケティングリードを務めています。それ以前は、スペイン最大級のゲームメディア「HobbyConsolas」で25年以上にわたり編集長を務めていました。Abylightはバルセロナを拠点とするインディーデベロッパー兼パブリッシャーで、『シタデルム』『One Military Camp』、そしてニンテンドースイッチ向けの『SOMA』や『Hyper Light Drifter - Special Edition』などを手がけています。 ――これまでのゲーム人生の中で、とくに強い影響を受けた作品を教えてください。 デビッド: 非常に長い間ゲームに親しんできたので、ジャンルを問わず印象深い作品は数えきれません。個人的なお気に入りを挙げると、『メタルギア ソリッド3 スネークイーター』、『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』、スーパーファミコン版『悪魔城ドラキュラ』、『レッド・デッド・リデンプション』、そして『コール オブ デューティ4 モダン・ウォーフェア』などですね。 ――改めて『シタデルム』とはどのようなゲームなのでしょうか。都市運営ゲームとしての特徴を教えてください。 デビッド: 『シタデルム』は古代ローマを舞台にした都市建設・戦略ゲームです。本作の特徴は三層構造のゲームプレイにあります。第一層は都市建設で、資源管理や市民統治、建築を通じてローマ都市を築き上げます。第二層はワールドマップで、探索や交易、軍団を率いた戦闘を行います。戦闘は自動解決、シミュレーション、リアルタイム指示から選択できます。第三層はパンテオンで、ローマ神話の神々と関わり、信仰や行動次第で恩恵や神罰がもたらされます。 ――舞台に古代ローマを選んだ理由、また都市運営で重視した思想や要素について教えてください。 デビッド: 古代ローマは西洋文化に極めて大きな影響を与えており、現代でも高い親和性があります。また『Caesar』シリーズをはじめ、都市運営ジャンルとの結びつきも強い時代です。ゲームでは社会階級(パトリキとプレブス)、宗教、複雑な生産チェーン、交易を重視し、公衆衛生や法制度、剣闘士競技や戦車競走といった娯楽、防衛まで含めた統治を描いています。 ――他プラットフォームでの反響はいかがでしょうか。日本のプレイヤーからの反応もあれば教えてください。 デビッド: PC(Steam/GOG)でのリリース後、ニンテンドースイッチ2版を展開しましたが、評価は非常に好調です。全体で82%、直近レビューでは86%が好評となっています。とくに日本のプレイヤーは熱心で、200時間以上遊び込んだ方からの推薦レビューも確認しています。 ――ニンテンドースイッチ2版の特徴と、開発で重視した点を教えてください。 デビッド: スイッチ2の性能を最大限に活かすため、操作体系を刷新し、Joy-Con 2のマウスモードにも完全対応しました。5つの歴史キャンペーンとサンドボックスモードを収録し、携帯・TVのどちらでも快適に遊べる体験を重視しています。 ――スペインのスタジオとして初めてニンテンドースイッチ2向けタイトルをリリースしたことについて、率直な感想を教えてください。 デビッド: 本当に誇りに思っています。Abylightは過去にWii U向けタイトルで任天堂と直接仕事をした最初のスペインチームでもあり、その関係が今回再び結実しました。 ※編注:Abylightは、Wii Uでも有数のインディーゲーム『タイニーシーフ』(発売元:任天堂)の国内Wii U版移植開発を担当していた。。 ――この快挙は、社内やスペインの開発コミュニティではどのように受け止められましたか。 デビッド: チーム全員が大きな誇りと興奮を感じています。業界の仲間からも多くの祝福をいただき、非常に励みになりました。 ――任天堂からのサポートについて、差し支えない範囲で教えてください。 デビッド: 『シタデルム』に強い関心を持っていただいたことから、早い段階でニンテンドースイッチ 2の開発キットを提供してもらい、スペインの任天堂オフィスでゲームを紹介する機会も設けていただきました。 ――現在のスペインのゲーム業界を、どのように見ていますか。 デビッド: 正直に言えば、非常に厳しい状況です。世界的なスタジオ閉鎖や再編の波に加え、スペインはもともと長期的に存続できるスタジオが少ない土壌でした。一方で、近年はいくつかの作品が国際的に高く評価されているのも事実です。 ――スペインの強みと、今後の課題はどこにあると感じていますか。 デビッド: 最大の強みは才能と独創性、そして文化的背景を活かした新鮮なアプローチです。課題は、制度的な支援の不足と、長期的に育てられるIPの少なさだと考えています。 ――スペインの開発者として、日本市場をどう見ていますか。 デビッド: 日本はビデオゲーム文化の発祥地であり、市場の安定感も際立っています。ここで成功することは、どのスタジオにとっても大きな意味を持ちます。 ――今回、日本のメディアやプレイヤーに『シタデルム』を届ける意義をどう考えていますか。 デビッド: 日本のプレイヤーには長い歴史と確固たる文化があります。市場が安定している点も印象的です。日本はまさにビデオゲームの発祥地であり、ここで成功することは、どのスタジオにとっても大きな到達点です。 ――スタジオとしての長期的なビジョンを教えてください。 デビッド: Abylightは20年以上、インディーとしてのアイデンティティを保ちながら活動してきました。現在は『Amnesia: Rebirth』『Amnesia: The Bunker』のスイッチ2版も進行中ですし、まだ発表できない新作も控えています。今後も、より野心的で質の高い体験を届けていきたいと考えています。 ――最後に、日本のプレイヤー、そしてゲーム業界に関心を持つ読者へのメッセージをお願いします。 デビッド: ゲーム業界は厳しい世界ですが、情熱に満ちています。その努力と愛情には敬意を払うべきです。業界を目指す方にとって、Game*Sparkのようなメディアを読むことは最良の第一歩だと思います。 ――ありがとうございました! 『シタデルム』は、PC(Steam)/ニンテンドースイッチ2向けに発売中です。

Game*Spark みお

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