米ドル、基軸通貨の地位を当面維持=オランダ中銀総裁
欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのクノット・オランダ中銀総裁は13日、米政権の貿易政策は世界経済に根本的な不確実性を生み出しており、短期的には経済成長とインフレ率の両方を押し下げる可能性があるとの見方を示した。1月撮影(2025年 ロイター/Yves Herman)
[アムステルダム 13日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのクノット・オランダ中銀総裁は13日、ドルは今後当分の間、世界の基軸通貨であり続けるとの見方を示した。同時に世界の一部の主要通貨がドルと競合しようとしており、投資家の資金フローを引き付ける可能性もあるとした。
クノット氏は会議で「通貨間の競争が起こるだろう」と言及。一方で、ドルが果たす役割に代わるものは今のところないとし、投資家はドルへのエクスポージャーを減らすことはできるが、それだけでドルが世界の基軸通貨としての地位を失うことはないとの考えを示した。
また、ユーロ圏が自国通貨の妙味を高めるには、域内での大規模な構造改革や長らく停滞している統合に向けた取り組みが必要になるとの見方を表明。
10年物米国債の1日あたりの売買高が約9000億ユーロであるのに対し、10年物ドイツ国債は300億ユーロだとした上で「これが市場の流動性とリスクヘッジ能力を物語っている」と述べた。
クノット氏はこれに先立ち、米政権の貿易政策は世界経済に根本的な不確実性を生み出しており、短期的には経済成長とインフレ率の両方を押し下げる可能性があるとの見方を示した。
貿易摩擦は企業や家計が支出を先延ばしにする要因になると説明。これにより消費と投資は縮小し、少なくとも短期的には経済成長全体の足かせになると指摘した。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab