35Aが到着、カミシュ国防相は同機の追加取得を示唆

ポーランド待望のF-35Aが国内基地に配備され、カミシュ副首相兼国防相は「2025年~2039年までをカバーする軍事力開発計画(PRSZ)には2個飛行隊分の第5世代戦闘機の取得も含まれている」と言及し、F-35A追加取得(32機規模)について公の場で示唆して注目を集めている。

参考:Samoloty F-35 na wyposażeniu Wojska Polskiego 参考:Więcej F-35 dla Polski. Gen. Kukuła potwierdza 参考:Dodatkowe miliardy z USA dla Polski. Kupimy kolejne F-35? 参考:Prezydent Nawrocki dla Defence24.pl: F-35 to jasny sygnał dla wrogów Polski 参考:Poland intends to buy two more squads of F-35s, minister says

ポーランド空軍の航空戦力はF-16C/D×47機(事故で1機損失)、F-35A×32機、FA-50GF×12機、FA-50PL×36機で構成される予定で、F-16C/D Block52+はBlock72にアップグレードされることが決まっており、FA-50GF×12機の取得は完了、難航していたFA-50PLへのPhantom StrikeとAIM-120C統合許可も2026年4月までに下りたため、36機の納入完了(2028年中→2029年初頭)は当初予定より約半年ほど遅れる見込みだ。

出典:KAI 한국항공우주산업 FA-50GF

そしてポーランド待望のF-35Aが12日に国内基地へ配備され、その正式受領式でカミシュ副首相兼国防相は「今後数ヶ月以内にさらに11機がラスク基地に納入される。来年にはさらに12機が納入され、最終的にポーランドは32機のF-35を保有する」「2025年~2039年までをカバーする軍事力開発計画(PRSZ)には空軍の作戦能力を強化する課題=さらに2個飛行隊分の第5世代戦闘機×32機の取得も含まれている」と述べたほか、ポーランド軍参謀総長のヴィエスワフ・ククワ大将も「F-35追加購入は2025年~2039年の軍事力開発計画の一部であり、それに伴うすべての条件も含まれている」と言及。

ポーランドは空軍近代化の最後のピース=第3の戦闘機取得についてF-35A追加調達、提案されたF-15EXやタイフーンへの関心、KF-21プログラム参加に関する言及などが浮上していた。今回のカミシュ国防相の発言はF-35A追加調達を示唆する内容だが、現時点でもPRSZの詳細な内容は非公開なので「2個飛行隊分の第5世代戦闘機×32機の取得」に関する情報はなく、追加調達に関する正式な決定や契約が締結されたわけではない。

ただし、米国のトーマス・ディナンノ国務次官は出席したF-35A正式受領式で「ポーランドに対する対外軍事資金援助(FMF)の融資額を40億ドル増額する」と発表し、ポーランドのカロル・ナブロツキ大統領は「この資金をF-35A追加調達に充当するのは良い考えかと思うか」という質問に「これは専門家に任せるべきであり、技術的な観点から大統領が決定すべきことではない」と述べた上で「F-35への投資は良い投資だ」と付け加えた。

ポーランド空軍の戦闘機戦力に関する将来規模については軍関係者が繰り返し「10個飛行隊=約160機」と言及しているため、FA-50GFとFA-50PLまで含めた場合の戦闘機戦力の不足分は33機となり、カミシュ国防相が発言した「2個飛行隊分の第5世代戦闘機×32機」が空軍近代化の最後のピースならF-15EX、タイフーン、KF-21調達の可能性は消滅した格好だが、FA-50GFとFA-50PLを戦闘機戦力に含めているのかどうかは不明なので、結局のところPRSZの詳細が判明するまで断定的なことは言えない。

ちなみにポーランドがF-35A×32機の調達にかかった費用は関連費用込みで46億ドルなので、FMF融資額の40億ドル増額が何を意味しているのかは大凡見当がつき、欧州でF-35販売が行き詰まっているロッキード・マーティンにとっては久々の朗報だろう。

関連記事:欧州で行き詰まるF-35販売、ポルトガルに部品製造と整備権限を与えると提案 関連記事:スペイン、トルコ製第5世代戦闘機に関して予備的な政府間交渉を開始 関連記事:ロッキード・マーティンが期待していたF-35追加調達、ドイツ国防省が否定 関連記事:欧州で行き詰まるF-35販売、米国がポルトガルのF-35導入に圧力 関連記事:ベルギーのF-35A追加調達、可能な限り欧州で製造して経済的利益を確保 関連記事:スペインがF-35導入を凍結、AV-8Bを運用する海軍は通常型空母に移行か 関連記事:ポルトガルが第6世代機開発にオブザーバー参加を検討、国内の反応は冷ややか 関連記事:空白が生じた戦闘機需要、Saabもカナダやポルトガルへの接触を開始 関連記事:F-35からラファールへ、ダッソーがカナダやポルトガルへの戦闘機提供に言及 関連記事:デンマークがF-35A導入を後悔、米国製システムは安全保障上のリスクでしかない 関連記事:ポーランドの戦闘機調達候補は4機種に拡大か、KF-21が名乗りを上げる 関連記事:ポーランドがAirbus参加を模索、A330MRTTとA400Mを購入する可能性 関連記事:ポーランド空軍強化の最終ピース、ボーイングがF-15EXの売り込みを開始 関連記事:ポーランド空軍の+α需要、産業協力を提示してタイフーン導入を提案か 関連記事:ポーランドPGZ、共同開発国としてKF-21計画に参加する意思を正式表明 関連記事:ポーランド最大の防衛産業企業、KF-21プログラムに参加することを希望

※アイキャッチ画像の出典:Ministerstwo Obrony Narodowej

関連記事: