NY市場サマリー(29日)株下落 ドル/円下落 金利低下 原油反発 金は急反落

<為替> 年末年始を控えた薄商いの中、円が対ドルで上昇した。日銀による追加利上げのタイミングの手がかりを探る動きの中、政府・日銀による実弾介入が警戒される状況が続いている。

終盤の取引で、円は対ドルで0.23%高の156.18円。

日銀は18日―19日に開いた金融政策決定会合で出された主な意見を29日に公表。それによると、今後も利上げを継続していくことが望ましいとの意見が相次ぐ中で、そのペースについて、中立的な金利水準まで「まだかなり距離がある」として、数カ月に1回のペースを念頭に緩和度合いの調整を進めるべきだとの声があった。為替円安の物価への影響に関する言及も複数見られた。

バノックバーン・キャピタル・マーケッツ(ニューヨーク)のチーフマーケットストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は「日銀が18─19日の会合で利上げして以降、相場はやや上下しているが、閾値には達していない」とし、政府・日銀が為替介入に踏み切る条件は急激な値動きや極端なボラティリティとなるため、現時点では為替介入が行われる条件は整っていないと指摘。市場の焦点はすでに来年に向けられているため、年末を控えた現時点での取引は駆け込み的な小口注文が中心になっているため、こうした値動きから大きなシグナルを読み取るつもりはないと語った。

アポロ・グローバル・マネジメント(ニューヨーク)のチーフエコノミスト、トーステン・スロック氏は、過去6カ月間、円は金利差から想定される水準を大きく下回る水準で推移していると指摘。「金利上昇局面で日本の財政に対する懸念が強まっていることが、為替相場を動かす主要な要因になり始めている」との見方を示した。 政府・日銀が最後に市場介入を実施したのは2024年7月。円が38年ぶりの安値となる1ドル=161.96円をつけた際、円買い介入に踏み切った。

終盤の取引で主要通貨に対するドル指数は0.09%高の98.12。ユーロ/ドルは0.12%安の1.1757ドル。

市場では、米連邦準備理事会(FRB)が30日に公表する9─10日の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が注目されている。FRBは同FOMCで0.25%ポイントの利下げを決定。利下げは9月と10月に続き、3会合連続だった。

NY外為市場:

<債券> 国債利回りが低下した。2025年最後の週で薄商いの中、市場は米経済情勢を示す兆候に身構えている。

10年債利回りは2ベーシスポイント(bp)低下の4.114%。2年債利回りは2bp低下の3.462%。2年債と10年債の利回り格差は64.9bpとなった。

30年債利回りは1.5bp低下の4.803%。

インフレ期待指標として注目されるドル建て5年先5年物フォワード・スワップは2.444%となった。

市場は米連邦準備理事会(FRB)が1月の会合で利下げに踏み切る可能性を示唆する指標に注目している。現時点で市場が織り込む1月利下げの確率は18.8%。ただ、アライアンス・バーンスタインの先進国市場経済リサーチディレクター、エリック・ウィノグラッド氏は「景気動向を左右する可能性のある主要データやFRB主要当局者の発言が出てくる1月まで待つ必要がある」と述べた。

米金融・債券市場:

<株式> 大型ハイテク株が前週の高値から押し戻され、主要3指数が下落して取引を終えた。

エヌビディア(NVDA.O), opens new tabやパランティア・テクノロジーズ(PLTR.O), opens new tabなど大半のハイテク株や人工知能(AI)関連株が下落する中、情報技術セクター(.SPLRCT), opens new tabがS&P総合500種の重しとなった。

ハバーフォード・トラストのディレクター兼投資戦略責任者ハンク・スミス氏は「ハイテク株優位の終わりの始まりではなく、買いの好機になるだろう」と述べた。

銀価格が初めて1オンス=80ドルを突破した後に急落したことを受け、貴金属関連株も下落した。一方、エネルギー株(.SPNY), opens new tabは原油価格の上昇を受けて買われた。
個別銘柄では、ソフトバンクグループ(9984.T), opens new tabが買収を発表したデジタルインフラ投資会社デジタルブリッジ(DBRG.N), opens new tabが9.6%急伸した。

ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄が値上がり銘柄を1.63対1の比率で上回った。ナスダックでも値下がり銘柄が値上がり銘柄を2.38対1の比率で上回った。

米取引所の合算出来高は130億8000万株。直近20営業日の平均は162億株。

米国株式市場:

<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、最近の上昇基調を受けて利益確定の売りが膨らみ、急反落した。

金相場は前週末、中心限月の清算値ベースで最高値を更新したが、この日は年末を控え利益確定の売りが活発になり、相場は午前、一気に170ドル余りレンジを切り下げる場面もあった。押し目での買い戻しは限定的で、取引終盤も安値圏にとどまった。

トランプ米大統領が28日にウクライナのゼレンスキー大統領と会談。侵攻終結へ向けた協議が前進しているとの楽観的な見方が、安全資産とされる金の重しとなった。FRBは翌30日、連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(9、10日開催分)を発表する。市場では来年の金融政策について手掛かりを得たいとの思惑も広がった。

NY貴金属:

<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、地政学的リスクを意識した買いが先行し、3営業日ぶりに反発した。

中東イエメンでは、サウジアラビアが支援する暫定政権と、アラブ首長国連邦(UAE)が支える分離独立派「南部暫定評議会」(STC)の軍事対立が続く中、サウジは26日、イエメン東部ハドラマウト州を空爆。サウジのハリド国防相は27日の声明で、STCに対し、東部2州で最近制圧した地域から平和的に撤退するよう警告した。これを背景に中東地域での供給混乱懸念が台頭し、原油買いが活発化。ウクライナ情勢を巡る不透明感も買い材料視された。米エネルギー情報局(EIA)は29日、同日午前10時半に予定していた最新週の週間石油在庫統計の発表が遅延していると明らかにしたが、清算値確定時点で発表はなかった。

NYMEXエネルギー:

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