レイ・ダリオ氏、1930年代のドイツと比較-現在の貿易戦争

David Ramli

  • 「国家主義的になり、保護主義的になり、軍国主義的になる」

 ヘッジファンド会社ブリッジウォーター・アソシエーツ創業者で富豪のレイ・ダリオ氏は、現在の貿易戦争が世界に及ぼす影響を分析するため1930年代のドイツを引き合いに出した。

  そのような紛争時には中立国がうまくやっていけることを強調した。

  ダリオ氏は12日にシンガポールで開催されたCNBCの会議で、関税引き上げを巡る対立がエスカレートした結果、最終的に何が起こるのかという質問を受けた。

  同氏は、世界が目にしているのは歴史のパターンの延長だと述べ、1930年代のドイツを引き合いに出した。歳入を確保するための関税引き上げ、国内での軍備増強があったことを指摘した。

  「国家主義的になり、保護主義的になり、軍国主義的になるということだ」と述べ、対立と闘いにつながるというのが過去からの教訓だと指摘した。

  ダリオ氏は、自身は政治的に中立だと強調。「私がしたいのは、その仕組みを伝えることだけだ。選択するのは他者だ。私はイデオローグではない」と語った。

  関税は国と国との闘いにつながる可能性があるが、必ずしも軍事的な対立を指しているわけではないと説明。

  米国、カナダ、メキシコ、中国の間で「闘いが起こり、その結果がもたらされる。それに注目すべきだと思う」と語った。

  中立の国はうまくやっていけるだろうと付け加え、人や資本の流れから恩恵を受ける可能性があるとしてシンガポールを例に挙げた。

  「懸念される世界情勢がある」が、「それを乗り越え、関与しない世界もある」と語った。

原題:Ray Dalio Cites 1930s Germany to Assess Unfolding Trade War(抜粋)

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