米が挑発強めていると金与正氏、北朝鮮の核抑止力強化「正当」

3月4日、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記の妹である金与正氏は、トランプ米政権が「挑発」を強めていると批判し、北朝鮮の核抑止力強化を正当化する行為だと述べた。写真は2日に韓国・釜山に入港した米空母「カール・ビンソン」の甲板上の米軍機。3日に代表撮影(2025年 ロイター)

[ソウル 4日 ロイター] - 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記の妹である金与正氏は、トランプ米政権が「挑発」を強めていると批判し、北朝鮮の核抑止力強化を正当化する行為だと述べた。国営の朝鮮中央通信(KCNA)が4日に報じた。

与正氏は、米空母「カール・ビンソン」が2日に韓国に入港したことに反発し、この行動は北朝鮮に対する「対決政策」の一環だと述べた。

「米国は今年に新政権が誕生するや否や、前政権の敵対政策を引き継いで、北朝鮮に対する政治的、軍事的挑発を強化している」と主張。

「北朝鮮が核戦争抑止力を無期限に強化する十分な正当性を提供している」と述べた。

韓国国防省は4日、与正氏の発言は北朝鮮の核ミサイル開発を正当化するための欺瞞(ぎまん)に過ぎないと指摘。

「北朝鮮の核兵器は決して容認できない。北朝鮮が生き残る唯一の方法は、核(兵器)に対する執着と妄想を捨てることだ」と声明で述べた。

韓国海軍は2日、米空母が北朝鮮に対する武力を誇示するため、南部の港湾都市釜山に到着したと発表した。

米空母の韓国入港は1月の第2次トランプ政権発足以降初めて。

与正氏はまた、米国、日本との合同訓練の一環として朝鮮半島上空に米軍の戦略爆撃機B─1Bが展開されたことや、2月にドイツ・ミュンヘンで開催された安全保障会議で3カ国が北朝鮮の非核化を目指すと表明したことにも反発した。

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