ロシア、ウクライナ東部要衝チャシウヤルを占領したと発表

[モスクワ 31日 ロイター] - ロシアは31日、ウクライナ東部ドネツク州の要衝チャシウヤルを制圧したと発表した。チャシウヤルを巡って約16カ月にわたり戦闘が続いており、事実ならロシア軍にとって大きな戦略的前進となる。

ロシア国防省は短い声明で「解放した」と発表、一方ウクライナ軍報道官はこれを「プロパガンダだ」と一蹴した。しかしロイターが確認したロシア軍部隊が投稿した動画では、廃墟と化した町で兵士たちがロシア空挺部隊の旗と国旗を掲げている様子が映っている。

チャシウヤルはロシアが激戦の末2023年に占領したバフムートのすぐ西に位置する。ここを掌握すれば、ロシア軍はコスチャンティニウカやスラビャンスク、クラマトルスクなどドネツク州の重要都市への進軍に道を開く可能性がある。

ウクライナ軍参謀本部は31日、ロシア軍がチャシウヤル付近の複数の地点を攻撃したと発表した。

一方、最前線の状況を地図で示すウクライナのオープンソース地図サイト「ディープステート」は、ウクライナ軍が依然としてチャシウヤルの西部を支配していることを示している。

フィンランドに拠点を置くブラック・バード・グループの軍事アナリスト、エミル・カステヘルミ氏はロイターに対し、チャシウヤル近郊で戦闘が続いている可能性が高いと指摘。

制圧が事実であれば、ロシアはウクライナ東部でさらに前進する条件が整うとみられるが、それでも進軍は段階的なものにとどまるとの見方を示した。

ただ「ウクライナにとって情勢は厳しくなる」とも語り「ロシア軍がドローン部隊をさらに近づけられるため、この地域の補給にも影響が出るだろう」と述べた。

チャシウヤルは人口1万2000人強の町だったが、現在は廃墟と化している。

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