新型ホンダ スーパーワンには、軽自動車ではなかなか得られない感覚があった!!! 令和のシティ・ターボIIに迫る
ホンダから間もなく発売される新型スーパーワンに乗ると、“EVのコンパクトスポーツ”といった言葉から想像されるイメージとのギャップに、多くの人々が驚嘆するだろう。 「静かで加速はいいけれど、コーナリングは退屈」 EVに対する一般的なイメージは、おおよそそんなところではないか。そして、EVをスポーツモデルに仕立て直したところで「きっと電子制御がバリバリに利いた味付けに違いない」と思われたとしても不思議ではない。 でも、新型スーパーワンがサーキットで見せた走りは、そのいずれとも異なっている。むしろ、その対極に位置するといっていいくらいだ。 その成り立ちはなかなか興味深く、なんと軽規格のEV「N-ONE e:」がベース。端的にいえば、電動パワートレインをパワーアップして足回りを見直すとともに、内外装をスポーツカーらしく仕立て直しただけといえないこともない。 新型スーパーワンのスペックを、もう少し詳しく見ていこう。 バッテリーやモーターは基本的にN-ONE e:と共通。ただしスーパーワンは、あえて軽自動車ではなく小型車枠とし、軽自動車に課せられた64psの“足かせ”から解放され、最高出力95psを達成。これにあわせてモーターのコントロールユニットを設定し直し、冷却性能も強化した。 ただし、この電動パワーユニットには見逃せないメリットがあった。バッテリー容量が29.6kWhと比較的コンパクトなこともあって軽量で、しかも車体の重心とほぼ同じ位置にバッテリーを搭載できたのだ。このため、車重は1090kgに仕上がった。これは、同クラスのEVに比べて250〜300kgほども軽いだけでなく、機敏なコーナリングに効果がある“ヨーモーメント”の低減にも役立ったそうだ。 パワーユニットの長所を最大限、引き出すために用意されたのが、N-ONE e:に対してトレッド(左右タイヤの間隔)を50mmも拡大した足回りである。このおかげで、ハンドルを大きく切り込んだときの旋回性能が大幅に改善されるとともに、ステアリングレスポンスもよりシャープになったという。 しかも、新型スーパーワンはただトレッドを広げただけでなく、フロントサスペンションのロワアームはアルミ鍛造製で新設計されたほか、ハブ剛性の強化、リアアクスルビームの補強、左右等剛性ドライブシャフトの採用など、きめ細かなチューニングを実施。さらに、軽自動車には実質的に装着できない185/55R15のヨコハマ ADVAN FLEVというワイドなスポーツタイヤを装着。スーパーワンの走りを足下から固めたのである。 エクステリアはとにかくスポーティでオシャレだ。ワイドトレッドを強調する大型のブリスターフェンダーを装備するとともに、これにあわせて前後のデザインを一新。ホンダが1983年に発売した「シティ・ターボⅡ」、さらに古くはオリジナルの「ミニ・クーパー」や「フィアット・アバルト」あたりを思い起こさせる、“小っちゃいけどワイドでやんちゃ”なスタイリングに仕上がっている。