仕事は任せたい。でも秘密は守ってね。ChatGPTのAIマスコット「Dots」

Webb Wright - GIZMODO US[原文]( 高橋真紀 / GIZMODOライター )
Image: OpenAI

目新しいテクノロジーと、自分の大切なプライバシー、どちらを取るか。

OpenAIは、人工知能(AI)エージェントが制御不能に陥り、政府や企業システムへのハッキング、第三者の組織に侵入していたとの報告が相次いだことを受け、直近数ヶ月間、緊急対応に追われてきました。

そして現在、同社は新たにかわいらしいキャラクターを登場させ、“潜在的なサイバー犯罪者”というイメージの払拭を試みているようです。

AIモデルをキャラクター化

米国時間9月29日に開催されたOpenAIの開発者向けイベント「DevDay 2026」にて発表された「Dots(ドッツ)」は、OpenAIのAIモデル「GPT-6 Astra」を搭載した常時稼働型のAIエージェントです。クラウド上で24時間365日デジタルアシスタントとして機能するように設計されています。

アメリカだと同じ名前のグミキャンディがよく知られていますが、この甘ったるい名前と見た目は、これまでOpenAIのエージェントたちに注がれてきた辛口な評判と見事なまでに対照的です。

こうした悪評を決定づけたのが、今年7月に起きた「Hugging Face事件」でした。これは、OpenAIのAIモデルが隔離されたテスト環境(サンドボックス)から脱出し、「スウォーム(群れ)」を形成。AI同士互いに結託して、人間の研究者の意向に反する行動を取り、AI研究プラットフォーム「Hugging Face」に侵入したというものです。

Image: OpenAI

またDotsを見ると、Metaが先日リリースした常時稼働型のパーソナルAIエージェント「Muse」を思い浮かべずにはいられません。Museのマスコットの名前はJolly。『アドベンチャー・タイム』のフィンやラブブ、Jerrycatなど人気のキャラクターをとりあえず掛け合わせたような見た目をしています。

ah my pop crave debut

muse is finally an a-lister https://t.co/edAEqmGKLl pic.twitter.com/HAbSL3VOsH

— Alexandr Wang (@alexandr_wang) September 24, 2026

OpenAIのサム・アルトマン氏とMetaのマーク・ザッカーバーグ氏は、長年にわたり、個々のユーザーの状況を深く理解し、幅広いデジタルツールを横断して日常的な作業や、時間のかかるタスクを処理するAIを構築することが、長期的なビジョンだと述べてきました。

SlackやTeamsを含む4,000以上のアプリと連携できるDotsを使うことで、「AIとの仕事の進め方がまったく新しいものになるだろう」と、アルトマン氏は「DevDay 2026」のキーノート(基調講演)で聴衆に語っています。

そう考えると、コンピューターのキーボードを使ってチャットボットに手動でプロンプトを入力する時代は、OpenAIとMetaが現在注力している方向へと繋がる、短い進化の段階と見なすことができます。つまり、常に細かく指示を出して付き添わなくても、ユーザーに代わって24時間働くエージェントです(もちろん、必要なデータを探すために、政府のシステムへの侵入などはしないことを願う)。

Museと同様、Dotsも特定のユーザーについて時間をかけて学習していくように設計されています。先日公開されたOpenAIのブログ記事には、「一緒に働くほど、Dotsはあなたの好み、考え方、そしてあなたが求める仕事の質を学んでいきます」といった内容が書かれています。

また、DotsはChatGPTの音声モードにも統合されているため、実際の人間と電話で話すのと同じように、Dotsと会話したり、タスクを委任したりすることもできます。「まるで第二の脳と話しているようなものです」と、OpenAIの製品開発者であるHolly Li氏はイベントのステージ上で語りました。第二の脳って何なの……。

OpenAI、プライバシー漏洩のリスクを認める

しかし、Hugging Faceやハッキング事件、その他同様の事例が示すように、エージェントは人間の指示を誤解しやすく、時には悲惨な結果を招くことも多々。

Meta Museはリリースからわずか3週間で、すでに許されないミスを数々犯しており、ある事例ではユーザーの許可なく自宅住所を公開したと報じられています。

AIエージェントを使用する際には、常にプライバシーとのトレードオフが伴います。有用であるためには、個人データを提供する必要があるからです。OpenAIは、Dotsの安全機能に関するブログ記事で、このリスクを認めています。

「こうした役割をDotsに任せることは、より多くの情報と仕事を託すことを意味します。各Dotsが何にアクセスでき、そのアクセス権をどう使い、いつユーザーの関与を必要とするのかを把握できることが重要です。エージェントのミスが会話の外にまで影響を及ぼしうるためです。リクエストを誤解すると、別のファイルを変更したり、非公開にしておくつもりだった情報を共有したりするおそれがあります」

Dotsは「GPT-6 Astra」を搭載しており、OpenAIは9月初めのリリース時にこれを「もっとも整合性の高いモデル」と評していました。Dotsはクラウド上の独自の仮想コンピュータ上で動作し(MetaがMuseで使用したセキュリティシステムと同様)、パスワードの変更や口座間の送金といった特定の機密性の高いタスクを実行しないよう、事前に学習されているといいます。

ChatGPT Pro、Business Premium、Enterpriseを契約している一部のユーザーは、今すぐDotsを使い始めることが可能です。

ただし、ただの愛らしい相棒だと思って使っていると痛い目に遭うかもしれません。

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