“『ポケモン』のリザードンの形をしたチートス”がオークションで約1300万円で落札される。割と似てるけど、まったく関係ない
海外オークションサイトGoldin Auctionsにて、「リザードンの形をしたチートス」が約8万8000ドル(約1300万円)で落札されるという事態が発生した。ニューヨーク・タイムズなどが報じている。
チートスは米国で1948年に発売されたチーズスナックだ。日本でも1975年に発売されて以来、今も人気を誇る。製造工程として、水とトウモロコシの粉を混ぜて作った生地を圧力と熱で瞬間的に膨らませて作るため、ひとつひとつが異なる形をしているのが特徴だ。
そして今回のリザードン型のチートスが話題になったのは、昨年のこと。スポーツ関係のトレーディングカードや収集品を取り扱うコレクターショップ「1st&Goal Collectibles」のインスタグラムにて、2019年にオーナーのPaul Bartlett氏が購入したという「リザードン型のチートス」の様子が投稿された。当時同氏はポケモンのコレクター向けアイテムへの投資に熱心だったそうで、このチートスはeBayにて350ドルで購入。投資の一環だったようだ。しかし購入後このチートスを金庫に保管したまま、その存在を忘れてしまっていた。それが昨年になってその存在を思い出し、インスタグラムに投稿したところ大きな話題に。それがきっかけとなり、希少価値の高いコレクターズアイテムを専門とするアメリカのオークションサイト「Goldin Auctions」に出品される運びとなったようだ。
Image Credit: ポケモンずかん今回話題になったチートスは、辛みを足した別バージョンである「Flamin’ Hot Cheetos」の中から見つかったものだ。かなり大きく複雑な形をしたこのチートスは、とがった耳のついた頭や大きな翼、長い尻尾がついているように見え、たしかにリザードンのように見える。また「Flamin’ Hot Cheetos」の赤い色や辛い味も、ほのおタイプであるリザードンらしさを強調しているかもしれない。所有者のPaul Bartlett氏はこのチートスが話題になったあと、破損を恐れて友人のJordan Tkacsik氏に専用ケースの制作を依頼。同氏がポケモンカード風の装飾が施された、チートスの形にぴったりと沿った台座を持つ頑丈なケースを作成してくれたそうだ。ちなみに同氏の考えでは、腐敗については心配ないとのこと。
今回のオークションではその「リザードンチートス」が先述の専用ケース付きで出品された。現地時間2月11日に250ドルで始まったオークションはみるみるうちに価格が上昇、最終的に3月2日に7万2000ドルの価格で落札された。手数料を含めると約8万8000ドル(約1300万円)になる。これは同オークションサイトにおける食品の最高額とのことだ。
Image Credit: Goldin Auctions Image Credit: Goldin Auctionsチートスは先述のとおり、型などを使わず、圧力と熱で生地を瞬間的に膨らませて作るため、その形は千差万別。時には何かに似ている形が出来上がることもあり、特にアメリカではたびたび話題になる。2017年にはゴリラの形をしたチートスが9万9900ドル(現在のレートで約1500万円)で落札されたことが報じられた。今回はリザードン型のチートスが大きな話題となり、またもや高額で取引されることになった。
ちなみにポケモンは公式グッズであればトレーディングカードを中心に、高額で取引されることがある。過去には1枚のポケモンカードに527万5000ドル(約7億7000万円)もの値が付いたこともあり、これはギネスに認定されている。世界的な人気があり、また長年グッズ展開されていることで希少価値のある商品も存在するわけだ。
しかし、リザードン型のチートスはもちろんポケモン公式とはまったくの無関係。なんなら見る人によっては言われなければリザードンとは思わないかもしれない。とはいえ一般的なチートスと比べて複雑な形状ではあり、偶然の産物として希少価値が高まった結果、信じがたい高額で取引されることとなったのは興味深い。ちなみにWalmartなどを見るにチートスは米国では4ドル前後で販売されているようで、リザードン型チートスの取引額はチートス換算で2万2000袋分となっている。