Shall we ダンス?人間の動きを真似てワルツを踊るロボット

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 ロボットと踊る時代まで来ちゃったかー。でも相手が見つからない場合はロボットでもウェルカムだ。Shall we ダンス?と誘ったりしちゃうかも。

 アメリカのカリフォルニア大学の研究者らが披露したAIヒューマノイドロボット「ダンスロボット」は、目の前の人の動きをほぼリアルタイムで模倣することができる。

 なので自分のダンスの腕前を写し出す鏡でもあり、パートナーにもなってくれるってわけだ。しかもなにがすごいって、わずか1秒のタイムラグで一緒に踊る人間の動きを真似してるところだ。

 ダンスだけでなく、様々な人間の動作を真似することが得意なロボットなんだそうだ。

 このロボットは人間のモーションキャプチャデータを使い、2つのAIモデルを二足歩行のヒューマノイドロボットUnitree G1と統合させている。

  カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究者チームはまず、人間のさまざまな動きをとらえた映像、つまりモーションデータベースを基に、ExBody2というAIモデルを構築した。

 次にそのExBody2にシミュレーション環境での強化学習を施し、二足歩行のAIヒューマノイドロボット Unitree G1が、体のどこをどのように動かせば、人間の動きをうまく真似できるかをしっかり学ばせたのち、2体の Unitree G1に統合した。

 さらにカメラでとらえた実世界の物理データを分析するAIモデルを追加し、視界に入った人間の動きを分析し、その動きを自ら迅速に模倣できるようにした。

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 その結果、人の動作をほぼ即時に鏡のように真似する(ミラーリング)をマスターした Unitree G1ができあがった。

 このロボットたちは、目の前(正確にはカメラの前)の人間の動きをわずか1秒遅れでそっくりそのまま再現する。

 なめらかに歩いたり、何かを避けたり、しゃがんだり、踊ったりもできるヒューマノイドロボットになったのだ。

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 人まねが得意になったロボットはワルツも上手に踊る。人間のパートナーの動きをすぐ再現して、相手の足を踏むようなミスも起こさない。

 そのカメラがとらえた人間と同じように歩き、腕で円を描いたり、しゃがむなどの動きもこなす。動作によってはちょっとあやつり人形感あるけれど、すぐに動くところがすごい。

 その中には、研究者の一人が横でお手本の動きを示し、ロボットがその動きを1秒遅れで忠実に模倣する姿もある。向き合わなくても真似させることもできるようだ。

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 あらかじめ必要な特定の動作をプログラムしておく方法もあるが、研究者たちは、このアプローチのほうが、適応性が高いと述べている。

 たしかに、ロボットに新しい動きを伝授する必要があるたびに、そのつど新しいトレーニングセットを用意するより、あらかじめ人間の多様な動きとその真似のやりかたまで身に着けたロボットのほうが柔軟性もあり使いやすそう。

 ただこのようなロボットの例はこれが初めてではない。

今回の研究は2024年12月17日に発表されたものだが、同じカリフォルニア州のスタンフォード大学の研究者たちも、同年に同様のAIモデルを身長175cmヒューマノイドロボットに使い、同じような人まねロボットを開発している。

 そのロボットは、ボクシングや簡単なテニスの動きを少し遅れて再現する「シャドウイング」で動きを学んだ。

 研究者たちは、このようにモーションキャプチャデータを使った訓練方法は、ロボットの無駄な再訓練を減らし、開発を加速させ、ひいてはコスト削減にも貢献すると考えている。

ヒューマノイドロボットは人間の動きを模倣することで、人間が持ついろいろなスキルや動きを学べます。これは汎用ロボットの機能を高める有用な手段になるでしょう

 ロボットと人間が手を取り合って優雅なダンスするなんてちょっとロマンチックだね。

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 人間のダンスパートナーの代わりにロボットが練習につきあってくれるような光景もこのあとすぐだったり?

References: Popsci

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