DeepSeek、低コストの主張は誇張されている-グーグルAI開発責任者

Yazhou Sun、Tom Mackenzie

  • 600万ドル未満で開発との主張「誇張され過ぎており、誤解を招く」
  • ハサビス氏、AI開発の経済性に関する常識を覆すとの見方も否定

米アルファベット傘下グーグルの人工知能(AI)開発部門を率いるデミス・ハサビス氏は、中国のDeepSeek(ディープシーク)が600万ドル(約9億1000万円)未満でAIモデルを開発したとの主張は「誇張されており、やや誤解を招くものだ」と述べた。

  グーグルディープマインドの最高経営責任者(CEO)である同氏は「最終段階のトレーニング費用のみを公表しているように見える。それは総費用のごく一部だ」とブルームバーグテレビジョンで語った。

  またディープシークの台頭がAI開発の経済性に関する常識を覆すとの見方を否定。「突破口となるような新たな技術は見当たらない」と、AI会議出席のために訪問中のパリで語った。

  ディープシークは旧型のエヌビディア製チップを使用した生成AIモデルを560万ドルで開発したと主張しているが、複数の研究者から疑問視する声が上がっている。関係者によると、米当局はディープシークがシンガポールのサードパーティーを通じてエヌビディアの先端半導体を購入し、AIタスクに使用される半導体販売を巡る米国の規制を回避したか調査している。

関連記事:米、DeepSeekがエヌビディア半導体をシンガポール経由で入手か調査

  オープンAIとマイクロソフトは、ディープシークと関係のあるグループが蒸留と呼ばれるプロセスを使用してオープンAIからデータを入手したかどうかを調査していると、ブルームバーグ・ニュースはこれまで報じた。

関連記事:DeepSeekがオープンAIデータ不正入手か、マイクロソフト調査中 (1)

  ハサビス氏は、ディープシークは「蒸留するために一部の西洋モデルを利用した」ようだと述べたが、詳細には踏み込まなかった。

  ディープシークの広報担当者は現時点でコメントの要請に応じていない。

原題:Google AI Chief Says DeepSeek’s Cost Claims Are ‘Exaggerated’(抜粋)

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