なぜ日本は借金大国でも破綻しないのか?他国とは違う「2つの理由」とは(ダイヤモンド・オンライン)

 日本の国債残高は1000兆円を大きく超え、先進国の中でも突出した水準にある。それでも、日本が財政破綻に陥るという現実的なシナリオは語られていない。なぜこれほどの借金を抱えながら、危機が表面化しないのか。そこには、他国とは異なる日本特有の構造がある。※本稿は、ファンドマネージャーの堀井正孝『経済はお金から学べ』(SBクリエイティブ)の一部を抜粋・編集したものです。 【この記事の画像を見る】 ● 巨額の財政赤字を抱えながら なぜかデフォルトしない日本  日本の普通国債の残高は、2025年度で約1129兆円になる見込みです。また、日本の借金依存度(編集部注/GDP規模に対する債務の残高)は、不本意ながら、世界でも突出しています。今の日本は、自他共に認める借金大国です。そして、財政赤字国でもあります。  財政赤字といえば、ギリシャ、英国、米国など、日本よりも景気が良さそうに思われた国々で、慌てふためくニュースが報道されたのを覚えていますか。  ギリシャでは、2009年10月、政権交代をきっかけに、旧政府が巨額の債務を隠蔽していたことが発覚しました。実は、超が付くほどの財政赤字だったことがバレてしまったのです。ギリシャの国としての信用は失墜し、ギリシャ国債利回りが急騰(価格は暴落)したのが「ギリシャショック」です。  ギリシャショックは、「ユーロ危機」に発展します。イタリアやスペインなどで、ユーロ圏の国債が暴落し、財政赤字が拡大、信用不安の連鎖が起こりました。  英国では、2022年9月、国債、通貨、株式が同時に売られるトリプル安に見舞われました。これが「トラス・ショック」です。当時のトラス政権による大規模減税策の発表がきっかけでした。政策自体は良かったのですが、その財源は、国債の発行であることが判明しました。

 BOE(イングランド銀行)が、利上げと保有国債の売却を決定した直後でもあり、英10年国債利回りが急上昇(価格は下落)しました。  国債の発行で新たな借金をするのですから、財政は悪化することが予想され、英ポンドも株価も下落しました。  米国では、しばしば債務上限問題が議論になります。債務上限とは、政府が国債発行などで借入できる金額の上限のことです。政府は議会の承認を得て、この上限を引き上げない限り、新たな借入ができず、国債の元利払いが滞る「デフォルト(債務不履行)」のリスクが生じます。  特に、2011年、2013年、2015年は、この債務上限の引き上げに関する法案がギリギリまで成立せず、米国の財政運営の混乱は、世界中の注目を集めました。  しかし、日本は借金大国なのに「日本が破綻する」とか「日本国債がデフォルトする」などというニュースは聞いたことがありません。なぜなのでしょうか。 ● 日本政府は国内から お金を借りている  日本の財政収支は、図2-17のとおり、赤字が続いてはいますが、赤字幅は減少し、財政はかなり改善しています。借金が多いのに、国の財政は、まったくといっていいほど悪くない状況なのです。  もちろん、政府の財政構造の見直しと物価高で税収が上がったことは、赤字幅減少の理由の1つではありますが、他国でも同様のことは起こり得ます。日本だけは破綻しない、と考える理由にはなりません。  日本には、他国にはない、日本特有の理由が2つあるのです。

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