強い女に見せんでも… 辻元氏が語る「一種の連帯感がある」高市首相

毎日新聞 2025/11/28 12:00(最終更新 11/28 12:00) 有料記事 3094文字
インタビューに答える辻元清美参院議員=東京都千代田区で2025年11月13日、新宮巳美撮影

 「高市さんの執念と努力のなせる業だと思いますよ。その分、前のめりにならないか心配だったんだけど」

 いわゆる「ガラスの天井」を突き破り、初の女性宰相となった高市早苗氏(64)。

 その高市氏をこう評するのは、立憲民主党の辻元清美参院議員(65)だ。

 実はこの2人、同じ関西出身の同学年で、かれこれ30年以上の付き合いがある。

 圧倒的に男性優位の永田町で、同じような苦労を重ねてきた間柄でもある。

 そこで辻元氏に、あれこれ高市氏について聞いてみると……。

 <主な内容> ・国会の廊下で「しんどいやろ?」 ・「思想信条は真逆と言われても…」 ・通算在職25年の女性議員は3%未満 ・出会いは「朝生」 ・リスペクトの気持ちも ・若い頃に交わした「恋バナ」 ・スポーツ紙に「恋人募集中」と書かれ ・高支持率でも視界は… ・「心配していたことが顔を出してきた」

 ・感情論ではなく

国会の廊下で「しんどいやろ?」

 「総理就任直後に、(国会の)廊下で久しぶりにすれ違って。『しんどいやろ?』と聞いたら、しんどい言うてましたよ」

 東京・永田町にある参院議員会館の事務所。

 向かい合った辻元氏が切り出した。

 柔らかな表情、そして口ぶりだ。

 高市氏とのやり取りがあったのは、首相の所信表明演説があった10月24日。

 2人の立ち話はメディアでもちょっとした話題になり、日経新聞は「保守的な首相とリベラルな辻元氏の会話は意外だった」(11月14日付夕刊)と伝えた。

「思想信条は真逆と言われても…」

 政治的スタンスだけを見れば確かに対照的な2人だが、これまでの歩みからすれば必ずしも「意外」とは言えない。

 奈良出身の高市氏に対し、辻元氏は奈良生まれの大阪育ち。

 ともに一般的な家庭で庶民的な生活を送り、国会議員になったのも同じ頃だ。

 高市氏は1993年に無所属で初当選し、辻元氏は96年に小政党の社民党で議員生活をスタートさせた。

 「お互い、(非世襲の)たたき上げという点では似ているんですよ。思想信条は真逆と言われてきましたけれども」と辻元氏は話す。

通算在職25年の女性議員は3%未満

 加えて国会ではマイノリティー同士。

 衆参両院によれば、通算在職年数が25年に上り、表彰を受けた議員はこれまでに計557人を数える(衆院は帝国議会時代を含む)。

 そのうち女性はわずか16人だ。

 割合では3%にも満たない。

 そもそも女性議員の絶対数が少ないことに加え、長く続けることの困難さが浮かび上がる。

 高市氏は5年前に表彰され、辻元氏は今年25年に達した。

 「普通の家の子で後ろ盾もない中で、(女性政治家として)30年近く生き残るっていうのは相当しんどいことを乗り越えないと。じゃないと、やってこられない世界なんですよ」と辻元氏。

 だからね、と続けた…

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