急速に積み上がる世界の石油在庫、OPECプラスは供給拡大を継続
Alex Longley
- 世界の原油在庫、過去100日で約1億7000万バレル増加-カイロス
- 中国での在庫増が目立つも、「世界的に過剰供給の兆候」強まる
ここ数週間、世界の石油在庫が大幅に積み上がっている。石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成するOPECプラスが供給を拡大する中、今後、世界の原油市場に圧力がかかる可能性を示している。
在庫状況を監視するカイロスによると、世界の原油在庫は過去100日で約1億7000万バレル増加した。コンサルティング会社エナジー・アスペクツのオイルエックス部門のデータは、2月からの在庫増を示している。
消費者の需要に対する産油量のバランスを見極める上で、在庫は重要な手掛かりとなる。
OPECプラスは、予想を上回るペースで供給拡大計画を発表しているが、需要がそれに見合うかどうかは確かではない。今年前半は実需市場で総じてタイトな供給が示されたが、在庫の積み上がりは供給拡大の影響がようやく世界市場に浸透し始めた兆しとも言える。
カイロスの共同創業者で主席アナリストのアントワーヌ・アルフ氏は「原油在庫の世界的な大幅増を確認している。主に中国が中心だが、同国に限ったことではない」と述べた。さらに、中国が貯蔵能力の引き上げを続けており、その分の備蓄増が在庫を押し上げたと指摘したうえで「世界的にも過剰供給の兆候が強まっている」と述べた。
原題:Global Oil Stockpiles Are Expanding Fast as OPEC+ Hikes Supply
(抜粋)
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