イラクの原油輸出、ホルムズ海峡再開で1週間以内に戦前水準に回復可能
[バスラ(イラク) 7日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)第2位の産油国であるイラクの国営バスラ石油会社のバセム・アブドゥルカリム社長はロイターのインタビューに応じ、米国とイスラエルが2月末にイランを攻撃して始まった戦争が終結してホルムズ海峡が再開されれば、原油輸出量を1週間以内に戦争が始まる前の日量約340万バレルの水準まで迅速に回復させることが可能だと述べた。
ロイターの分析によると、イラクは海峡が事実上封鎖されて代替の出荷ルートが限られているために、ペルシャ湾岸の産油国の中で原油収入が最も大きく減った。
アブドゥルカリム社長はイランがイラクのタンカーの海峡通航を許可するという保証について今のところ口頭だけにとどまっていると語り、「イラクのタンカー通航許可に関する正式な文書はまだ受け取っていない」と述べた。
イラク南部の油田生産量は現在、日量約90万バレルだが、安全な海峡通航が確保されれば輸出量が1週間以内に日量340万バレルに達する可能性があるとしている。
イラクのエネルギー当局者がロイターに語ったところによると、イラクの3月の原油生産量はおよそ80%減少し日量約80万バレルに落ち込んだ。原油が戦争のために輸出できなくなり、貯蔵タンクが満杯になった。
アブドゥルカリム氏によると、ルマイラ油田の生産量は戦争が起きる前の約135万バレルから約40万バレルに、ズベイル油田は34万バレルから約30万バレルにそれぞれ減少した。
また幾つかの小規模な油田は国内発電に使う随伴ガスの生産を継続するために、限定的な水準で稼働している一方で、他の稼働停止中の油田はこの機会を利用してメンテナンス作業を実施しているという。
戦争開始前のイラクの原油生産量は日量約430万バレルで、戦争による損傷を考慮しても日量340万バレルを輸出するだけの十分な余力が残されている。
イラクは国内で消費するよりも多くの原油を生産している。そのため、国内供給にすぐさま影響せずに在庫を取り崩すことで出荷を迅速に増やせるという。
バスラ石油会社は国内需要を満たすために日量約40万バレルの原油をイラク北部へ送っている。日量約50万バレルの需要がある石油精製施設に供給するため、トラック輸送の約15万バレルと、国内パイプライン経由の約25万バレルが含まれる。
北部のキルクーク油田の生産量は日量約38万バレルだという。
アブドゥルカリム氏はドローン(無人機)攻撃の影響について問われ、石油関連施設に対する攻撃が「生産と操業の継続に甚大な損失」をもたらしたと述べ、外国とイラクのサービス会社の両方が標的になったと付け加えた。
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