Aぇ! group正門良規が初のシェイクスピア作品で“男装のお姫様”に、森新太郎演出「十二夜」
正門良規(Aぇ! group)が主演、森新太郎が演出を務める舞台「十二夜」が、10・11月に東京・東京グローブ座、11月に大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演される。
正門と森がタッグを組むのは、2022年上演の舞台「ヴィンセント・イン・ブリクストン」以来、2度目。今回は、ウィリアム・シェイクスピアの三大喜劇の1つ「十二夜」が、性別にとらわれないキャスティングで上演され、正門は女性のヴァイオラ役を演じる。また、翻訳を松岡和子、作編曲・音楽監督をBUN Imaiが担う。
双子の兄と生き別れてイリリアに流れ着いたヴァイオラ。生き延びるために男装し、“シザーリオ”と名乗って、公爵オーシーノに仕え始めたが、密かにオーシーノに恋心を抱いていた。一方、伯爵令嬢オリヴィアに夢中のオーシーノは、自身の思いを伝えさせるため彼女のもとにシザーリオを遣わせるが、オリヴィアはシザーリオに一目惚れしてしまい……。
森は「正門良規にはシェイクスピアをやらせたいとずっと思ってきました。一本気で、心優しく、たまに天然な正門良規にぴったりな役は──ヴァイオラしかありません。恋に身を焦がす男装のお姫様です」と述べ、「エリザベス朝の時代には、少年俳優がこれを演じました。すなわち男子が女子の役を演じ、重ねてその女子が男子の役を演じたわけです。この境界線の曖昧さこそがまさに『十二夜』です。今回は、彼に限らず他の俳優の何人かにも性別が逆の役を演じてもらいます。グローブ座という自由空間に、これまで以上にカオスな解放区を出現させたい。混乱をたくましく笑い飛ばしていきたい。ヴァイオラの台詞を借りるなら『時、所、運命のすべてがぴたりと決まった』このたびの公演です。どうぞお楽しみに」と期待をあおる。
正門は「シェイクスピアの作品はいつか演じてみたいと思っていましたが、まさか女性の役とは思っておらず、出演が決まりびっくりしました」「ちゃんと綺麗、かっこいいと思われたいです(笑)」と心境を語り、「演出の森新太郎さんは役者やお芝居に対して愛情深い方で、またご一緒できることがすごく嬉しいし、今から稽古に入るのが非常に楽しみです。3年前の同じく東京グローブ座の作品での稽古も忘れられないくらい濃密で、舞台欲や芝居欲に火がついて学ばせてもらいました。そこからさらに舞台も経験しているので、成長して面白くなっているところを観てほしいです」と意気込みを述べた。
併せて、正門のイメージビジュアルも公開された。そのほかの公演情報は続報を待とう。森と正門のコメント全文は以下の通り。
森新太郎コメント
十二夜とは、クリスマスから数えて十二日目の夜のこと、長い祝祭シーズンの最後の夜にあたります。人々のどんちゃん騒ぎはピークに達し、かなりの無礼講が許されたそうです。この時ばかりは社会に引かれたさまざまな境界線が忘れられ、そこは束の間、混乱に満ちた解放区となりました。「十二夜」というお芝居は一言で言って、混乱の喜劇です。登場人物の多くがアイデンティティ・クライシスの沼にはまります。自己喪失。思うにシェイクスピアがすごいのは、自分が自分でなくなることの不安だけでなく恍惚感も描いたところです。さらには、自分がふたたび自分になることの喜びだけでなく、その寂寥感も。人間という生き物は実にややこしい。我々は笑いながら、舞台上に我々の姿を見つけることでしょう。正門良規にはシェイクスピアをやらせたいとずっと思ってきました。一本気で、心優しく、たまに天然な正門良規にぴったりな役は——ヴァイオラしかありません。恋に身を焦がす男装のお姫様です。エリザベス朝の時代には、少年俳優がこれを演じました。すなわち男子が女子の役を演じ、重ねてその女子が男子の役を演じたわけです。この境界線の曖昧さこそがまさに「十二夜」です。
今回は、彼に限らず他の俳優の何人かにも性別が逆の役を演じてもらいます。グローブ座という自由空間に、これまで以上にカオスな解放区を出現させたい。混乱をたくましく笑い飛ばしていきたい。ヴァイオラの台詞を借りるなら「時、所、運命のすべてがぴたりと決まった」このたびの公演です。どうぞお楽しみに。