米GDP、堅調な成長で2024年を終える-個人消費に強い勢い

米経済は2024年10-12月(第4四半期)に堅調なペースで拡大した。ボーイングのストライキや在庫縮小は押し下げ要因となったものの、個人消費が強い追い風となった。

キーポイント
  • 実質国内総生産(GDP)速報値は前期比年率2.3%増
    • 市場予想は2.6%増
    • 7-9月(第3四半期)は3.1%増
  • 個人消費は4.2%増加
    • 2023年1-3月(第1四半期)以来の大幅な伸び
    • 増加率が連続で3%を超えたのは21年下期以来
    • 自動車販売の好調が加速をけん引

  食品とエネルギーを除く個人消費支出(PCE)コア価格指数は2.5%上昇と、市場予想に一致した。12月のPCEと価格指数は31日に発表される。

Robust consumer spending more than offset drop in business investment

Source: Bureau of Economic Analysis

  米経済は著しく減速するとの予想に反して24年も堅調を維持した。長引くインフレと高い借り入れコストにもかかわらず、個人消費が持ちこたえた。連邦準備制度理事会(FRB)は前日に終えた連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を据え置いた。GDP統計は、今後の利下げに対してFRBが慎重さを増している姿勢を裏付ける。

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  パウエルFRB議長は経済の力強さも強調した。GDP統計では基調的な需要の強さを測るインフレ調整後の国内民間最終需要が、3.2%増と堅調だった。

  米経済は2024年通年では2.8%成長。23年は2.9%、22年は2.5%成長だった。

  第4四半期の政府支出は前期比年率2.5%増加。国防支出に支えられた前期からは減速した。トランプ大統領は政府の支援プログラム廃止を公約しており、政府支出はその影響を受ける可能性がある。

  在庫はGDPへのマイナス寄与度が1ポイント近くとなり、23年1-3月以来の大きな足かせとなった。

  FHNファイナンシャルのマクロストラテジスト、ウィル・コンパノル氏は「今回の統計は第4四半期の米金融政策が過剰に抑制的だったとの疑念を払い、金融政策は良好な状態だとしたパウエル議長の昨日の発言を裏打ちする。しかしながら昨年末の経済ファンダメンタルズがどうであれ、米経済は新たな連邦政策によって全く新しい道に立たされる可能性がある」とリポートで指摘した。 

  「こうした状況は全て、今後のデータを見極めるとしたFOMCの慎重姿勢につながる」と続けた。

  ブルームバーグ・エコノミクス(BE)のエコノミスト、イライザ・ウィンガー氏は「第4四半期のGDP統計は一見したよりも強い内容だ。特に在庫を除けばそれは顕著だ。在庫を除いたGDPは消費者の需要が急増していることを反映しており、米経済を例外視する論拠を一段と固める。だからFOMCはトランプ政権の政策が及ぼす影響を見極めながら、金利については慎重な姿勢でいられる」と分析した。

  統計の詳細は表をご覧ください。

原題:US Economy Ends 2024 With 2.3% GDP Growth on Consumer Resilience(抜粋)

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