なんとかならんか車両盗難!! ランクルが5年連続ワースト1、、、しかも昨年比2割増しの825件!! 愛知県がダントツ1位だった
日本損害保険協会が発表した「第27回自動車盗難事故実態調査」によると、車名別盗難件数でランドクルーザーが5年連続1位となった。しかも前年より約2割増の825件という深刻な状況である。さらに盗難多発地域では愛知県がダントツの1位。高級SUVの象徴であるランクルが、盗難の象徴になりつつある現状は看過できない。盗まれないための対策とは?
文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部、Adobe Stock、日本損害保険協会
【画像ギャラリー】ランクルが車両盗難5年連続NO.1! 盗難されないための対策とは(9枚)日本損害保険協会が「自動車盗難事故実態調査」を発表。2025年の車名別盗難件数においてランドクルーザーがワースト1位となった
日本損害保険協会は、自動車盗難防止対策の一環として「自動車盗難事故実態調査」を実施している。この調査は2000年から続くもので、全国で発生した車両本体盗難や車上ねらいのうち、損害保険会社が保険金を支払った事案を対象に集計したものだ。つまり実際の被害の一部ではあるものの、盗難の実態を把握するうえで重要なデータとなる。
ランドクルーザーは825件、全体の30%を占める突出ぶり
最新の第27回調査(2025年のデータ)では、盗難の傾向がより明確になった。車両本体盗難や車上ねらいは長期的には減少傾向とされるものの、被害は特定の車種や地域に集中する傾向が強まっているという。実際、人気車種や海外需要の高いモデルに狙いが集中する構図はここ数年で顕著になっている。
今回の調査で最も衝撃的なのは、やはりランドクルーザーの盗難件数である。車名別の車両本体盗難件数では、ランドクルーザーが5年連続でワースト1となった。件数は825件で、前年から約2割増という結果になった。このランドクルーザーには、プラドも含まれ、250や300、年式など車種は特定されていない。
ランドクルーザーは国内外で圧倒的な人気を誇るSUVであり、とくに海外では耐久性と信頼性の高さから高い需要がある。そのため盗難車が海外へ流れるケースも多く、犯罪組織にとっては“狙いやすく売りやすいクルマ”になってしまっている。
車上ねらいもランドクルーザーが1位となった
2位のアルファードの車両本体盗難件数は2024年の289件から240件と49件減った
一方、2位のアルファードは2024年の289件から240件に減少、プリウスも2024年3位235件から204件と減少している。
さらに今回の調査では、車上ねらいでもランドクルーザーが1位となった。つまり車両本体の盗難だけでなく、部品や車内用品を狙う被害でもランクルがトップという状況だ。盗難被害がここまで一車種に集中するのは異例であり、人気車の宿命とはいえ、オーナーにとっては笑えない話である。
2024年に比べ神奈川県が5位から千葉県に代わって3位に、東京都は7位からランク外(10位)となった
また、車両盗難の支払い件数(盗難多発都道府県)を見ると、車両本体盗難、車上ねらいともに愛知県が1位となった。愛知県は自動車産業が盛んな地域でありクルマ保有台数も多いが、それを差し引いても盗難件数の多さは際立っている。過去の調査でも愛知県は上位常連であり、地域的な盗難拠点の存在や輸出ルートなどが関係している可能性も指摘されている。
スマートキーから出る微弱な電波を使ったリレーアタックは、微弱な電波を遮る金属の缶や遮断ポーチなどで防止できることが広まったため、自動車盗難の手口はスマートキーのIDコードを読み取ってスマートキーそのものを複製してしまうコードグラバーやCANインベーダーに移行(katsu@Adobe Stock)
さて、ここではどんな方法で車両盗難が起きているのか見ていきたい。電子機器による犯行の高度化が進んでおり、従来の「物理的なこじ開け」はほとんどない。リレーアタック→コードグラバー→CANインベーダー→ゲームボーイと、盗難手口は日々進化し巧妙化してきている。
まずリレータックの盗難の手口だが、スマートキーが発する電波を拾い、クルマの近くにいる別の犯人に中継することで、スマートキーがクルマの近くにあると誤認識させ鍵を開ける方法。しかし、リレーアタックはスマートキーを缶に入れるなどして電波を遮断する対策方法や、微弱な電波に切り替えることができる節電モードを付けたことで近年は激減している。
スマートキー内のIDコードを盗み出すコードグラバーという機器も出回っている(dusanpetkovic1@Adobe Stock)
コードグラバーについては、リレーアタックのように電波を遮断する方法では太刀打ちできない。コードグラバーはスペアキーをつくるための特殊な専用機械でスマートキーのIDコードを読み取ってスマートキーそのものを複製してしまう。
当初は数mの距離しか読み取れなかったが、最近では1km以上離れた場所からでもスマートキーのIDコードを読み込める機械が出てきている。ただし、コードグラバーが使えるのは狙ったクルマのオーナーがスマートキーを使ってドア解錠などの操作を行うタイミングに限られるため、効率はそれほどよくない。
続いて台頭してきたのがCANインベーダーという盗難手口。ランドクルーザーのバンパーを外して、モバイルバッテリーのようなものを通信ネットワーク(CAN)のコネクターに接続して、解錠している犯人の映像をTVで見た方も多いはず。
CANインベーダーに変わる新たな手口がゲームボーイ。盗難装置が任天堂のゲームボーイに似ていることからそう呼ばれている。クルマと直接交信してキー情報を引き出して純正キーと同様のコードをやり取りするので、車体側はドアロックを解除し、エンジンを始動してしまう。
つまり純正キーが車体からコピーできてしまう。そもそも、この方法は、スマートキーが故障したり、紛失してしまった場合にキーを複製するために用意されていたものだが、それを悪用されてしまったというわけだ。これは秘匿性の高いチャットツール「テレグラム」を使って、ロシアや欧州から輸入されているとのことである。
さらに、2024年秋あたりからSNSなどで報告されている新たな手口が、助手席側ドアやリアゲートなどに10cm四方の穴を開けられ、CAN(通信ネットワーク)に接続する方法。ドアを開けてエンジン始動のほか、キー複製機能まで付いている。
当初はフロントフェンダーをずらしてつなぐ手口だったが、助手席側ドアやリアゲートに穴を開ける方法に変わり、ボディに10cm四方の穴を開けると、走行している時に目立つため、リアタイヤハウスの中からCANにつなぐ方式に変わってきているとのこと。