マスクは激怒、アルトマンも疑問視──大物テック経営者を描く映画が米国で相次ぎ登場(Forbes JAPAN)

Photo by Finn Gomez/Getty Images(フォーブス ジャパン編集部)

世界のテック業界で大きな影響力を持つイーロン・マスク、マーク・ザッカーバーグ、サム・アルトマンなどを描く映画が、2026年秋に相次いで登場する。ドキュメンタリーだけでなく、実在の人物を俳優が演じる劇映画もある。批評家の評価はおおむね高いものの、モデルとなった本人の反応は、批判から沈黙までさまざまだ。マスクは監督を激しく非難し、アルトマンは人物描写の正確さに疑問を呈している。■テック富豪を題材にした4作品、2026年10月に公開・上映が続く米国時間2026年10月10日からの週末には、世界一の富豪イーロン・マスクを追ったドキュメンタリー『Musk』が劇場公開される。テスラとSpaceXAIの持ち分で巨額の資産を築いたマスクを、アカデミー賞受賞監督のアレックス・ギブニーが描く。上映時間は4時間近い。同じ週末には、2010年公開の映画『ソーシャル・ネットワーク』の続編『The Social Reckoning』も劇場公開される。ジェレミー・ストロングがザッカーバーグを演じる。内部告発によって、メタ(Meta)が自社のソーシャルメディアの有害な影響を把握していたことが明らかになり、対応に追われる様子が描かれる。10月17日からの次の週末には、コメディアンのネイサン・フィールダーが監督したドキュメンタリー『You Can See Everything』が公開される。題材は、血液検査会社セラノスの創業者で、詐欺罪で有罪判決を受けたエリザベス・ホームズだ。かつて資産10億ドルを超える富豪だったが、セラノスは欠陥のある検査技術を巡る訴訟や調査を受けて崩壊した。

劇映画『Artificial』は、2023年にOpenAIの最高経営責任者(CEO)だったアルトマンが数日間にわたり解任された騒動を描く。アルトマンやマスクを含む複数のテック富豪が登場する。


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■アルトマンは銃器を備えた地下シェルターの描写を否定アルトマンは2026年10月5日の週、ヴァニティ・フェアの取材で、『Artificial』に批判的な見方を示した。暗い人物として描かれているように見えるとの質問に、「制作側は正確さを目指していないと思う」と答えた。「良い映画を作ろうとしているのだろうし、良い作品になるかもしれない」としながら、「人物像を正確に描いた作品にはならない」と指摘している。予告編を見たアルトマンは、映像に登場するような、銃器でいっぱいの地下シェルターは所有していないと否定した。「不正確な描写の一例だ」と述べている。自身を演じたアンドリュー・ガーフィールドが歩き方を再現した点は、高く評価した。アルトマンはガーフィールドと話したことはないという。ある朝、制作陣がアルトマンの自宅の外で撮影していた際には、互いに手を振り合ったと話している。■ザッカーバーグは沈黙、ホームズは制作に協力ザッカーバーグは『The Social Reckoning』での自身の描かれ方について、公には反応していない。フォーブスはメタにコメントを求めた。ストロングはGQに、出演を引き受けた後でザッカーバーグにメールを送り、返信を受け取ったと話している。ストロングは返信の内容を明らかにしなかった。ザッカーバーグは2014年、前作『ソーシャル・ネットワーク』について、映画は「自分が傷つくようなことをいろいろとでっち上げた」と批判していた。ホームズは『You Can See Everything』の制作に自ら協力した。連邦刑務所で服役を始める前には、監督のフィールダーを自宅に住むよう招いた。■映画に登場する富豪の推定純資産、合計約205兆円フォーブスの推定によると、2026年秋の映画に登場することが分かっている富豪の純資産は、合計約1兆3000億ドル(約205兆4000億円)に達する。世界一の富豪であるマスクの推定純資産は1兆ドル(約158兆円)で、世界初にして唯一の「1兆ドル長者」だ。資産の大半はテスラとSpaceXAIの持ち分に由来する。世界の富豪ランキングで6位のザッカーバーグは、メタ株を13%保有し、推定資産は2464億ドル(約38兆9312億円)に上る。『Artificial』にはマスクのほか、少なくとも4人のAI分野の富豪が登場する。OpenAI社長兼共同創業者のグレッグ・ブロックマンの資産は255億ドル(約4兆290億円)、OpenAI共同創業者のイリヤ・サツケバーの資産は70億ドル(約1兆1060億円)だ。アルトマンは33億ドル(約5214億円)、アンソロピック(Anthropic)CEOのダリオ・アモデイは155億ドル(約2兆4490億円)の資産を持つ。

ホームズの純資産は最盛期に45億ドル(約7110億円)に達した。当時、フォーブスが90億ドル(約1兆4220億円)と評価していたセラノスの株式を、50%保有していたためだ。その後、セラノスの技術が実際には機能しないとの疑惑が浮上し、調査が始まると、ホームズの推定純資産は0ドル(0円)に下方修正された。

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