2024年に撮影された、最もパワフルな報道写真 30

• Getty Imagesは2024年の"最もパワフルな"報道写真を発表した。
• アメリカ大統領選から中東での紛争まで、カメラは2024年のさまざまな出来事を捉えてきた。
• 自然災害による被害や日食といった現象もカメラマンたちは捉えている。

Getty Imagesは2024年に同社のカメラマンが撮影した"最もパワフルな"報道写真を発表した。

フォトジャーナリストたちは1年を通じて政治、紛争、自然災害など、さまざまなニュースの決定的な瞬間を捉えてきた。

｢Getty Imagesのフォトグラファーとビデオグラファーはどんな時も人類の正直で、感動的で、人々の心をつかむ画像、映像を生み出し、偏見や操作を加えることなく、この複雑な世界の全てを描き、2024年の信頼できる、記憶に残る歴史的なドキュメントを作ってきた｣とGetty Imagesのニュース・フォトグラフィー部門のシニアダイレクター、サンディ・シリック（Sandy Ciric）氏はBusiness Insiderに語った。

2024年に撮影された、最もパワフルな報道写真を紹介しよう。

1月10日、ウクライナ兵はクレミンナで82ミリ迫撃砲を発射した

迫撃砲小隊の兵士たちは、マイナス15度の寒さに耐えながら陣地を守った。

1月31日、パレスチナの子どもたちはガザ地区ラファの廃墟で遊んでいた

イスラエルとハマスの戦いが続く中、マフムード・アルドゥーラさんとその子どもたちはガザを追われた。

2月8日、パキスタンでは総選挙を前にパキスタン・ムスリム連盟の事務所で行われたイベントに人々が参加した

総選挙はパキスタンのイムラン・カーン元首相の不信任決議が可決され、失脚してから2年後に行われた。

2月14日のバレンタインデーには、アメリカのサンフランシスコ市庁舎で同市のドラァグ・ローリート、ダーシー・ドロリンジャーさんが同性カップルの結婚式を司った

このイベントは、サンフランシスコで初めて同性婚が認められてから20年を記念するものだった。

2月27日、カリフォルニア州デイナポイントで地滑りが発生し、豪邸が崖の上にギリギリの状態で取り残された

2月4日、カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は大雨による洪水と土砂崩れを受け、ロサンゼルス郡、オレンジ郡、リバーサイド郡、サンバーナーディーノ郡、サンディエゴ郡、サン・ルイス・オビスポ郡、サンタバーバラ郡、ベンチュラ郡に非常事態宣言を発令した。

3月6日、約65人の移民がゴムボートでイギリス海峡を渡った

イギリス内務省が公表したデータによると、12月1日の時点で、2024年は3万3684人の移民が小型ボートに乗ってイギリスにやってきた。

3月26日、アメリカのメリーランド州ボルティモアでコンテナ船がフランシス・スコット・キー橋に衝突、橋が崩落した

橋の崩落により、6人が死亡した。

4月8日、アメリカのワシントンD.C.にあるワシントン記念塔の上で日食が見られた

皆既日食を見ようと、多くの人々がアメリカやメキシコ、カナダに集まった。

4月30日、アメリカのコロンビア大学で親パレスチナ派のデモ隊が建物内にバリケードを築いた

コロンビア大学のネマト・シャフィク学長（当時）は4月、大学はイスラエルに対する投資を回収するつもりはないと発表し、キャンパス内の親パレスチナ派の野営地に残る学生を停学処分にするとした。抗議活動に参加する学生はその後、大学のハミルトン・ホールを占拠し、300人が逮捕された。

5月4日、猛暑に見舞われたフィリピンでは、Hidden Sanctuary Resortの従業員が氷の塊を水の中に投入した

フィリピンでは気温が53度に達した。

5月22日、イランの首都テヘランでは人々がライシ大統領の葬儀に参列した

ライシ大統領は乗っていたヘリコプターがアゼルバイジャンとの国境近くの山中で墜落、死亡した。同乗していたイランの外相や州知事も死亡した。

5月22日、アメリカのアイオワ州プレスコットでは、竜巻で風力タービンが倒壊した

2024年、アイオワ州では過去最多となる122件もの竜巻が発生した。

5月29日、アイスランドのレイキャネス半島で火山が噴火した

アイスランドで有名なブルーラグーンでは、噴火に先立ち、避難指示が出されていた。

6月6日、第二次世界大戦のノルマンディー上陸作戦の決行日（Dデー）から80周年を迎えた

英国ノルマンディー記念館では80周年を記念して『Standing with Giants』と題したインスタレーションが行われた。

6月27日、アメリカのバイデン大統領はジョージア州アトランタで行われた第1回大統領討論会で、共和党の候補であるトランプ前大統領と対戦した

この討論会はバイデン大統領にとって悲惨な結果となった。その残念なパフォーマンスは民主党をパニックに陥らせ、最終的に大統領選からの撤退につながった。

7月13日、トランプ前大統領はペンシルベニア州バトラーで、集会中に銃撃された

選挙集会を取材していたカメラマンたちは銃撃された後に拳を突き上げるトランプ前大統領の姿を撮影し、それはたちまち象徴的な写真となった。

7月29日、沈没したタンカー｢テラノバ｣から流出した油はフィリピンのマニラ湾に広がっていた

沈没したタンカーは140万リットルの工業用燃料油を積載していた。

8月4日に撮影した航空写真は、マウイ島の山火事から1年が経ったラハイナの様子を捉えた

マウイ島の山火事では102人が死亡した。

8月7日、アメリカのカリフォルニア州ミルクリークでは消防士が山火事と戦っていた

この火事はカリフォルニア史上4番目に大きな山火事となり、40万エーカー以上を焼失した。

8月19日、アメリカのイリノイ州シカゴで開かれた民主党全国大会で、バイデン大統領とハリス副大統領は抱き合った

大統領選から撤退したバイデン大統領は、ハリス副大統領を民主党の大統領候補として支持した。

民主党全国大会でのスピーチで、バイデン大統領はハリス副大統領を高く評価し、ハリス氏を副大統領に選んだことは自身のキャリアの中で｢最高の決断｣だったと語った。

｢わたしはこれまでのキャリアで多くの失敗を犯してきたが、ベストを尽くした｣とバイデン大統領は語った。

9月28日、アメリカのノースカロライナ州チムニーロックでは、ハリケーン｢ヘリーン｣の影響でルーア湖にがれきが散乱していた

カテゴリー4のハリケーン｢へリーン｣の影響で、5つの州で300万戸が停電した。洪水を含め、その被害は広範囲に及んだ。

10月7日、イスラエルではイスラム組織ハマスが約1200人を殺害し、254人の人質をとった事件から1年が経った

パレスチナ自治区ガザには約60人の人質が残っているが、何人が生存しているかは不明だ。

ガザ保健省が国連に提供したデータによれば、イスラエルによるガザへの空爆と軍事行動によって、パレスチナ人の死者数は4万5000人を超えた。イスラエル軍はこれらの死者のうち1万7000人がハマスの戦闘員だったと報告している。

ハリケーン｢へリーン｣の2週間後、10月9日にはアメリカにハリケーン｢ミルトン｣が上陸した

ハリケーン｢ミルトン｣はカテゴリー3の勢力でフロリダ南西部に上陸し、330万の家屋および店舗などが停電に見舞われた。

10月20日、選挙戦のキャンペーンの一環で、トランプ前大統領がマクドナルドのドライブスルーに登場した

ペンシルベニア州は2024年の大統領選において重要な激戦州で、民主党のハリス陣営も共和党のトランプ陣営も激しい選挙キャンペーンを展開した。

10月31日、富士山の初冠雪は観測されず、過去130年間で最も遅くなった

富士山の初冠雪の遅れは、気候危機の影響に対する懸念を引き起こした。

11月6日、アメリカのフロリダ州パームビーチで、大統領選に勝利したトランプ前大統領が"勝利宣言"をした

共和党のトランプ氏が312人、民主党のハリス氏が226人の選挙人を獲得した。共和党は下院と上院でも過半数を獲得した。

11月6日、ハリス副大統領はハワード大学で"敗北宣言"をした

｢我が国では、大統領や政党ではなく、合衆国憲法にわたしたちは忠誠を誓っている｣とハリス副大統領は自身のスピーチで語った。

｢そして良心と神への忠誠。この3つ全てへの忠誠があるからこそ、わたしはここでこの選挙に敗北したことを認めても、この選挙運動の原動力となった闘いをあきらめない｣

12月3日、韓国の尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領が非常戒厳を宣言、ソウルの国会議事堂ではドアが破損した

韓国の国会議員たちは大統領の宣言を解除するための緊急の決議のために召集され、兵士たちが強行突入しようとする中、国会内にバリケードを築いた。

決議案は全会一致で可決され、6時間の混乱ののちに大統領は非常戒厳を解除した。

12月10日、ユナイテッドヘルスケアのCEO殺害事件の参考人として警察が行方を追い、逮捕したルイジ・マンジョーネ容疑者（26）がアメリカのペンシルベニア州の裁判所に出廷した

容疑者はペンシルバニアで逮捕され、ニューヨークへの移送に同意した。ニューヨークではストーカー行為、銃器使用による殺人など、複数の罪に問われることになる。

12月11日、アサド政権が崩壊したシリアでは、破壊された戦車の前で自撮りをする女性の姿が

アサド前大統領はシリアを離れ、ロシアに逃れたと報じられている。