米海軍が新型空対空ミサイルを発表、AIM
米海軍は22日に開催されたテイルフック・シンポジウムで新型空対空ミサイルのAIM-424 LRAAM-Malice(マリス)を発表し、Aviation Weekは「AIM-424はF/A-18、F-35、F/A-XX向けに開発されており、10年前のLREW構想に起源を持っている可能性が高い」と報じている。
参考:U.S. Navy Testing New Long-Range Air-to-Air Missile 参考:AIM-424 Long Range Air-to-Air Missile (LRAAM) 参考:U.S. Navy Unveils AIM-424 Malice Long-Range Air-to-Air Missile 参考:AIM-424 LRAAM – Malice 参考:AIM-424 “Malice” Very Long-Range Air-To-Air Missile Emerges From The Shadows (Updated)
TWZは2017年「2018会計年度の国防権限法に含まれているEmerging capabilities technology development(新興能力技術開発)に Long Range Engagement Weapon(長距離交戦兵器=LREW)が含まれている。このプログラムは米国の制空権維持を目的にしており、このプログラムの機密扱いの結果は各軍に伝達され、そこから正式な開発プログラムへと発展していく可能性が高い」と報じ、LREWの存在を最初に報告したFlightglobalのスティーブン・トリンブル氏はLREW公式のコンセプトアートも公開し、これがロケットブースター付きの空対空兵器であることが判明していた。
出典:U.S. Department of Defense
約2年間のエンジニアリング評価、設計、キルチェーン調査の結果を伝えられた空軍、海軍、海兵隊が「LREWのコンセプトに基づいた長射程空対空兵器」の実用化に動いているのか不明だったが、海軍は22日に開催されたテイルフック・シンポジウムで新型空対空ミサイルのAIM-424 LRAAM-Malice(マリス)を発表した。
Aviation Weekは22日「米海軍は現行のAIM-120をはるかに凌駕し、最近発表されたAIM-174Bの性能も凌駕するであろう新型長距離空対空ミサイルを開発中だ。AIM-424はF/A-18、F-35、F/A-XX向けに開発されており、この2段式の新型長距離空対空ミサイルに関する詳細は機密扱いで、画像を見る限りサイズ感はAIM-174Bに近く、AIM-120よりはるかに大きい。AIM-424構想は10年前のLREW構想に起源を持っている可能性が高い」と報じている。
出典:U.S. Navy
海軍は「マリスと呼ばれるLRAAMは、我々の艦隊、国益、そして本土を防衛する海兵隊および海軍航空部隊の射程、致死性、戦闘効果を向上させることで、国防総省が推進する統合抑止を直接的に支援するものだ」と、RTXも「海軍部隊に射程の延伸、致死性の向上、高い戦闘効果をもたらすAIM-424はあらゆる脅威をアウトレンジ可能な戦闘能力において世代を超越した飛躍を提供する」と説明し、DVIDSで2026年8月1日に公開された公式写真を見る限り、AIM-424はF-35Cのウェポンベイに収まっている。
AIM-424の開発ステータスは飛行試験中なので実用化や初期作戦能力の獲得には至っていないものの、空対空戦闘の交戦距離はどんどん拡張されており、Aviation Weekは「中国は射程1000海里を超える空対艦弾道ミサイルや巡航ミサイルを配備しており、海軍はこれを運搬するプラットホームに遠距離から対抗する必要性に迫られている」と指摘し、もう空対艦弾道ミサイルが航行中の空母に命中することはないという幻想から完全に脱却しているのだろう。
出典:U.S. Navy photo by Lt. Cmdr. Kory Hughs
追記:Naval Newsは「AIM-424は250海里(463km)以上離れた目標を攻撃できる能力をもち、現時点で確認されている全中国製空対空ミサイルの推定射程距離を上回る」「国防総省はAIM-174とAIM-424に加え、射程1,000海里(1,850キロメートル)の実現を目指した空軍向け空対空ミサイル=Air Force Long Range Weapon=AFLRWの要件精緻化を続けている」と報じている。
追記:米海軍はAIM-424 LRAAM-Maliceの仕様について全長:4.11m、直径:0.34m、翼幅:0.67m、重量:680.4kg、射程距離:250海里以上、推進方式:固体燃料ロケットモーター、請負業者:レイセオンと公式に発表。
出典:U.S. Navy
TWZは「これらの数値は、特に射程に関しては諜報活動のために意図的に操作されている可能性があることを留意すべきだ。それでもAIM-424はAIM-260とAIM-174Bの中間に位置し、どちらかと言えばAIM-174Bに近い可能性がある」と指摘し、AIM-424はウェポンベイに携行できるAIM-174B並な長射程空対空ミサイルなのかもしれないが、AIM-424が射程距離でAIM-174Bを上回るかどうかは機密なので誰にも分からない。
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※アイキャッチ画像の出典:U.S. Navy