米国株式市場=大幅反落、トランプ関税への懸念で ダウ1014ドル安

米国株式市場は大幅反落。トランプ大統領の「関税戦争」による経済への影響を巡る懸念が再び強まった。(2025年 ロイター/Mike Segar)

[ニューヨーク 10日 ロイター] - 米国株式市場は大幅反落。トランプ大統領の「関税戦争」による経済への影響を巡る懸念が再び強まった。

ダウ工業株30種(.DJI), opens new tabは1014ドル安。S&P総合500種(.SPX), opens new tabは3%超、ナスダック総合(.IXIC), opens new tabは4%超、それぞれ下落し、前日の上昇分の多くを失った。米中貿易摩擦の激化を巡る懸念が高まり、前向きな経済指標や米欧貿易交渉に対する楽観的な見方が弱まった。

マーフィー&シルベストのシニアウェルスアドバイザー、ポール・ノルティ氏は「投資家は結末が分からないため、依然として神経質だ」とし、「投資家はなお関税を懸念し、それがほぼ全面に出ている」と述べた。

米労働省が10日発表した3月の消費者物価指数(CPI)は前年比2.4%上昇し、前月の2.8%から伸びが鈍化した。 もっと見る
ただ、米連邦準備理事会(FRB)の政策見通しは不透明だ。ボウマンFRB理事は10日、米経済は堅調に推移しているとの見解を示しつつ、トランプ大統領の貿易政策が経済に及ぼす懸念から金融市場のボラティリティーが高まっていることを認めた。 もっと見る
シカゴ地区連銀のグールズビー総裁は、トランプ大統領の関税措置を巡る不確実性が解消され、経済が軌道に戻れば、FRBが利下げを実施する可能性はあるという認識を示した。 もっと見る
欧州委員会のフォンデアライエン委員長は10日、トランプ大統領が数十カ国に対する上乗せ関税を一時停止したことを受け、欧州連合(EU)による対抗措置を90日間保留すると発表した。 もっと見る

一方、中国は対抗姿勢を崩していない。

投資家の不安心理を示す「恐怖指数」として知られるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のVIX指数(ボラティリティー・インデックス)(.VIX), opens new tabは高止まりし、40を上回る水準で取引を終えた。

ハイテク大手が再び売り圧力にさらされ、「マグニフィセントセブン」(超大型ハイテク7銘柄)各社が2.3─7.3%安となった。

中古車大手カーマックス(KMX.N), opens new tabは17%急落。第4・四半期の利益が予想を下回ったことを嫌気した。

ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を4.81対1の比率で上回った。ナスダックでも4.14対1の比率で値下がり銘柄が多かった。

米取引所の合算出来高は236億5000万株。直近20営業日の平均は185億株。

LSEGデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります ※米国株式市場

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