【店外メニューに記載なし】通う人のみぞ存在を知る大宮「つくば本店」のカレーそばの正体がこれだ! 立ち食いそば放浪記356

こんなところにこんなものが! 宝探しの醍醐味は宝そのものより発見にあるのではないかと思う。なぜなら、私(中澤)は立ち食いそば屋の隠れメニューを発見するだけでテンションが上がってしまうからだ。

そう、券売機のない立ち食いそば屋は、入店するとメニュー看板に記載のないメニューが存在するパターンが結構ある。店に通う人しか知らないこれらのメニュー。大宮「つくば本店」のカレーそばもその1つである

・つゆがウマイ「つくば本店」

大宮駅東口を出てすぐの商店街すずらん通りの入口にある「つくば本店」。すずらん通り自体も裏路地みたいな広さゆえ、お店もこっそりと隠れるようなオーラを放っているが、大宮駅の立ち食いそば屋と言えばここであることは以前の記事でお伝えした通りだ。

『そば処中山道』『いろり庵きらく』『駅そば大宮』などの駅そば勢と比べても、つゆのコクが一段深い。醤油の甘みを感じる正統派な関東系のつゆである。

オススメのメニューは「メンチそば(税込520円)」。立ち食いそば屋の揚げ物と言えば天ぷらだけど、ここのメンチカツは肉が詰まってて、その家庭的なウマさが良い。なんならコロッケそば(税込500円)のコロッケもホクホクしたじゃがいもの食感に手作り感が溢れてるから、個人的には洋食揚げ物系トッピングに個性を感じる

・何度も通った結果

で、これらのそばは店外のメニューに記載されているので、初めての時はここで注文を決めて入店してすぐ注文した。玄人が多そうなディープさも相まって、あまり店の中で迷いたくないという気持ちだったのである。

しかし、何度も通ってるうちにあることに気づいた。この店の店外メニューは「かけ(350円)」「たぬき(420円)」「きつね(430円)」「月見(430円)」「かきあげ天(500円)」「かきあげ天玉(580円)」「ちくわ天(490円)」「わかめ(480円)」「山菜(480円)」「コロッケ(500円)」「メンチ(520円)」と並んでいる。だが店内に貼られたメニュー表をよく見てみると……

コロッケ、メンチで終わらず、「カレーそば(520円)」「とろろいも(520円)」と足されているのだ。よく見たらちょっと多い

・間違い探しかよ

並び方などが「店外と同じです」オーラを放っているだけに間違い探しみたいになってる。かく言う私も数回通うまで分からなかった。ただここで食べるだけではなく、一旦落ち着いて間違い探しできる猛者だけが気づくメニューと言える。

さらによく見ると、メニューから離れたところにも「いか天(520円)」「ごぼう天(480円)」「なす天(480円)」の貼り紙が。天ぷらそばもかき揚げ天だけじゃない。

まあ、天ぷらの方は揚げ置きに明らかにかき揚げ天以外が並んでるから気づきやすいけど、カレーそばについては、そもそもカレーライスもない店だけに気づいた時ビックリした。こんなところにこんなものが

・食べてみた

そこでメンチカツトッピングで注文してみたところ、カレーはレトルトだけど、前述の通りつゆがコク深いため、そのコクがカレーを大分底上げしている。そのため、カレーつゆとしてはレトルト的安っぽさは感じられなかった。

そばの風味がカレーで消える代わりに、この有無を言わせぬ誤魔化し力があるのがカレーそばの魅力と言えるだろう。繊細さを求めるものではない。

ゆえに、トッピングしたメンチカツもぶっちゃけ普通のそばよりも合っていた。ここから先は足せば足すほどウマイ領域。コロッケも合うに違いない。ちなみに、単品トッピングの価格は、メンチカツが170円でコロッケが150円。なんなら両方乗せたっていい。

そんなわけで『つくば本店』に隠されていたカレーそばにあったのは、オカンが作る洋食みたいなウマみ。ホッとするその味に、また1つ大宮の魅力を教えられた気がした。

・今回紹介した店舗の情報

店名 つくば本店 住所 埼玉県さいたま市大宮区大門町1-17 営業時間 5:00~21:30 定休日 無休

執筆:中澤星児 Photo:Rocketnews24.

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