10代少女監禁、見守りカメラで動静監視か 児相通告も搬送前に訪問至らず 東京・町田

東京都町田市で家族4人が10代の娘を自宅の押し入れに監禁し、低体温症などを負わせたとして逮捕監禁致傷容疑などで逮捕された事件で、自宅室内に見守りカメラが設置されていたことが13日、捜査関係者への取材で分かった。警視庁捜査1課は、家族がスマートフォンを通じてカメラ画像を確認して、娘の動静を監視していたとみている。

自作の拘束具を付け

捜査関係者によると、40代の両親と20代のきょうだい2人の計4人は今年1月下旬ごろから数日間、娘に自作の拘束具を付け、押し入れ内の施錠されたスペースに監禁。全治約1週間の床ずれや低体温症を負わせたという。

監禁したスペースは、昨年9月ごろに押し入れの下段に板を使って自作したとみられ、手製の扉を付けて外側から施錠できるようにしていた。逮捕前の任意の調べに対し、母親は「しつけのためだった」などと説明している。

娘には知的障害があった。逮捕された母親ときょうだいには精神疾患があり、警視庁は刑事責任能力の有無も慎重に調べている。

低栄養状態で発見

事件は1月28日、母親が「娘が冷たくなっている」と119番通報し、搬送先の病院の医師が虐待の疑いに気付いたことで発覚。娘は保護された当時、意識がもうろうとし、低栄養状態だった。

娘には骨折した痕や全身にあざもあり、暴行されたり、満足な食事を与えられなかったりといった虐待を長期間にわたり受けていたとみられる。

町田児童相談所によると、母親の通報を受けて娘が病院に搬送される2日前の1月26日、「身体的虐待を受けた疑いがある」という趣旨の通告を受けたという。児相などは通告者の詳細などを明かしていないが、通告から3日後に当たる29日に訪問する予定だったとしている。

守られていなかったルール

一方で、国は通告後48時間以内に直接訪問するなどして子供の安全確認をすることを求めており、今回の事件では「48時間ルール」が守られていなかったことになる。

児相の担当者は「状況を踏まえて訪問が円滑になるよう、関係機関と調整した上で訪問する予定だった」と説明した上で「状況を深く受け止めている」としている。

また、捜査関係者によると、娘は中学に入学以来、ほとんど登校していなかったという。町田市教育委員会は、学校の対応について「電話連絡や家庭訪問を定期的に行っていた」と説明。娘本人とも接触したこともあったというが、「異変や事件性などは確認されなかった」とした。

「虐待に気づきにくい側面」

元児童相談所長で、NPO法人「児童虐待防止協会」理事の津崎哲郎氏は「学校側が状況をどこまで把握し、必要な支援をしていたかが問題だ」と指摘する。

津崎氏によると、通常、児相が虐待の疑いがあるとの通告を受けた場合、学校側が持つ子供に関する情報などを収集をした上で、事案の緊急性を判断し、本人の安全確保に努めるという。

一方で、不登校の子供が増え、学校側の対応は、これまでの登校を強く求めるものから、フリースクールへの出席を認めるなど柔軟になっているといい、「学校が不登校の裏にある虐待に気づきにくい側面があるのではないか」と話した。(梶原龍、長谷川毬子)

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