「週末の寝すぎ」はジャンクフードに匹敵!実年齢50代で体内年齢70代も…専門家が教える“若返る”科学的習慣(ウィメンズヘルス)
あなたは何歳?こっそりサバを読んでも意味はない。なぜなら、エイジングを考える上で本当に重要なのは、実年齢(誕生日の回数)より体内年齢(身体機能の状態)のほうだから。 【画像】食事と運動、睡眠の見直しで「体の年齢」を巻き戻す3つの方法 科学的に認められている老化の指標は、現時点で少なくとも12個ある。その中でも特に体の老化を早めるのは、低度の慢性的な炎症。この炎症は悪い生活習慣によって引き起こされ、何年も細胞にダメージを与え続ける。 「体の炎症反応は、もともと短期間だけ働く仕組みになっています」と説明するのは、神経科学者のジュリア・ジョーンズ博士。「しかし、現代のライフスタイルは頻繁に炎症反応を引き起こしてしまいます。実年齢は50代でも、体内年齢が70代という患者さんは多いですね」 体内の老化が加速していることは、検査を受けなくても分かる。英キングス・カレッジ・ロンドンのエイジングリサーチディレクター、リチャード・シオウ博士によると、ポイントは自分の身体機能の状態を把握すること。「分かりやすい例を挙げると、食事や睡眠をしっかりとれているか、ストレスを感じていないか、頭痛や体の痛みはないか、運動後に異常な息切れがないか、といったことですね。こうした情報は水面下で起きていることを知る手掛かりになります」 もちろん、これは体内年齢が25歳のまま45歳になれるという意味ではない。「それは非現実的ですが、体内年齢が実年齢より2~3歳でも若ければ、老化が遅いということになり、元気でいられる年数が増える可能性がありますね」とシオウ博士。「体内年齢が少しでも下がるのは、健康にとっても寿命にとっても良いことです」。それでは早速、科学的に実証された体内年齢の下げ方を紹介しよう。
カロリー制限は、老化のスピードを遅らせて、心代謝プロファイル(心血管疾患と代謝障害に関わる健康状態を示す指標)を改善するとされている。エイジングに関する学術誌『Nature Aging』に掲載された論文によると、健康な成人がカロリーの摂取量を4分の1減らしたところ、体内の老化スピードが2~3%低下した。これは、早期死亡の確率が10~15%低下したことを意味する。しかし、長期的にカロリーを制限するのは難しい。 「多くの人にとってダイエットを1年以上続けるのは難しいことですし、常にカロリーを制限することが問題になるケースもあります」と説明するのは、著書に『The Vegetarian Athlete’s Cookbook』を持つ公認管理栄養士のアニータ・ビーン氏。「とはいえ、健康的な体脂肪率を維持するのは大切なことです。体脂肪が多すぎると体内の炎症が悪化して、心疾患や一部のがん、2型糖尿病など、加齢に伴うさまざまな疾患の原因になりますからね」 カロリーの摂取量を減らすには、食事の時間を制限するのが一番簡単。具体的には、1日のうち14時間は断食して、残りの10時間で食べるということ。このインターミッテント・ファスティング(断続的断食)は、エイジングケアに良いことが動物実験によって証明されている。また、アメリカで行われた3ヶ月の試験では、全ての食事を10時間の枠内でとった人々に腹部脂肪の減少と血圧およびコレステロール値の改善が見られた。 インターミッテント・ファスティングは、食べられる時間を短くすることで、自然と摂取カロリーが減るという考え方。この方法には、消化に使われる時間を減らして、体の修復とメンテナンスに使われる時間を増やすだけでなく、血糖値(体内年齢を示す指標の1つ)を安定させる効果もあるとされている。 「エイジングを遅らせる上では、カロリーを制限することが重要なのか、それよりも食べる時間を制限することのほうが重要なのか。その部分は明確になっていません」とビーン氏。「どちらの方法を選ぶにしても、健康を維持するためには高品質で栄養価の高い物を食べることが大切です。果物と野菜、穀物、ナッツ、シード、レンズ豆などの豆、魚を中心とした地中海食などはおすすめです。植物の多様性も重要ですから、1週間に少なくとも30種類の植物を食べるようにしてください」