EU、対米関係でデリスキングを図る理由は一切ない-欧州委員長

Kevin Whitelaw、Katharina Rosskopf

欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会のフォンデアライエン委員長は、欧州と他国との関係における「数十年来の確実性が崩れつつある」としつつ、対米関係でデリスキング(リスク回避)を図る理由は一切ないと述べた。

  EUと中国の関係シフトを率いてきたフォンデアライエン氏は対中関係について、デリスキングするものだとし、中国からデカップリング(切り離し)するものではないと表現している。トランプ米大統領の下で外交政策や国防が急速かつ不穏な形で変化しても、対中と同様の戦略が対米で必要かどうかは「明確なノーだ」と答えた。

  フォンデアライエン氏は9日、ブリュッセルでの記者会見で、「米国との関係は、中国との関係とは完全に異なるものだ」と発言。ただ、ウクライナ支援および情報共有を停止するという米国の決定は、欧州にとって防衛力強化への「非常に強力な警鐘」になったと付け加えた。

  欧州委員会は安全保障会合を定期的に開催し、防衛やエネルギーといった分野でEUが直面するさまざまな潜在的脅威の見直しを開始するとも同氏は述べた。

原題:EU Sees No Need to De-Risk Relations with US, Von der Leyen Says(抜粋)

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