相鉄の新型車両「13000系」公開! 先に登場した12000系との違いとは?
相模鉄道は3月8日、新型車両「13000系」を報道公開しました。
相鉄13000系13000系は、2014年から同社が展開している、駅舎や車両、制服などを統一したコンセプトでデザインする「デザインブランドアッププロジェクト」に基づく車両。新製車両としては、2018年にデビューした20000系、2019年デビューの12000系に続く3形式目です。また、20000系(8両編成版の21000系含む)は東急線方面の直通用、12000系はJR線直通用として開発された車両ですが、今回の13000系は相鉄線内専用車両となります。
2018年デビューの20000系(左)と、2019年デビューの12000系(右)デザインコンセプトは、「安全×安心×エレガント×未来」。これまでのコンセプトに「未来」が加わっており、デザインブランドアッププロジェクトの第2フェーズに入ったことを示しています。
車体の塗装は、2016年登場の9000系リニューアル車から続く、横浜をイメージした濃紺色「YOKOHAMA NAVYBLUE」を採用。車両前面は「生き物のような流麗な造形」とし、風景の映り込みの美しさを追求しています。
「生き物のような流麗な造形」13000系の先頭部。前面には「センターパネル」が配置され、前照灯は「未来を見つめる目」のコンセプトのもと、鋭い形となりました中央部には「センターパネル」を配置し、ネイビーのマット色が新たに導入されました。また、前照灯両端部には、エッジの際立った部品「Concept Emblem」(コンセプトエンブレム)を新設。内部は、線路の色であるさび色をイメージした配色としています。前照灯は「未来を見つめる目」とし、入線時にホームから車両の横顔が美しく見えるようなデザインとしたといいます。
前面にグリルがある20000系(左)と12000系(右)。13000系では、両形式とは少し異なるデザインとなりました 13000系の前照灯 前照灯両端部に配置された「Concept Emblem」13000系の先頭部はボルトやネジを目立たせない設計となっており、たとえばセンターパネルやコンセプトエンブレムは、前照灯を取り外す際の大きなボルトを隠す役割を兼ねているのだとか。表から見える部分にはカバーパーツを設けたり、取り付け方法そのものを見直すことでシンプルで美しい外観を実現したのだといいます。
車内は、20000系や12000系と同様に、グレーをベースとした内装で統一。ガラス製の荷棚や仕切り、貫通扉の採用により、開放感のある室内としています。時間帯で色調が変化する調色調光式のLED照明、全車に配置されたベビーカー・車いす用フリースペース、一部優先席にある「ユニバーサルデザインシート」、「相鉄らしさ」の象徴である車内の鏡なども、12000系などと同様に採用されました。
13000系の車内 調色調光式LEDを採用したことで、車内照明の色味が変更可能に。夜にはこのような暖色系の色となります内装における12000系との変更点は、空気清浄機と車内防犯カメラの性能を向上したこと、将来のワンマン運転に向けて客室内に非常はしごを設置したこと。基本的には、12000系と大きな違いはありません。
ドア上の車内案内表示器と防犯カメラ 乗務員室後ろには非常はしごが設置されました 12000系の車内。13000系は同形式をおおむね踏襲したデザインですただし、先頭車は12000系よりも定員が7人増加しました。車体を約800ミリ延長し、客室空間を拡大したことによるもので、12000系比で座席定員は6人、立席定員は1人増えています。
乗務員室直後の客室スペース。12000系では4人掛け座席分のスペースしかありませんでしたが、13000系ではこの空間が拡大されており、7人掛け座席が配置されていますこのように定員が増えた理由は、8両編成停車位置のホームドアに対応するため。12000系では先頭車のもっとも乗務員室寄りにある客用ドア位置が他の箇所と異なりますが、12000系の設計のまま8両編成としてしまうと、すでに設置されているホームドアには対応できなくなります。そのため、13000系では先頭車の扉間隔を4940ミリに統一。結果的に、12000系ではドア間隔が狭まっていた区画が拡大されたことから、先述の定員増につながっています。
13000系先頭車の側面。すでに設置されている8両編成のホームドア開口部に対応するため、ドアピッチが4940ミリに統一されています車体設計は、総合車両製作所の標準プラットフォーム「sustina」を採用。12000系と同様にステンレス製(前頭部のみ鋼製ブロック)ですが、13000系では継ぎ目のないレーザー溶接車体となっており、アルミ車体のようななめらかな側面となっています。
最新の「sustina」プラットフォームを採用したことで、側面に継ぎ目のないなめらかな車体となりました走行機器類は、基本的に12000系を踏襲。機器共通化により、設計・メンテナンスコストの削減を図っています。
13000系(の第1編成)は、将来的な沿線人口の減少などをふまえ、12000系にはなかった8両編成として製造されました。そのため、組成は12000系からモーター車1ユニット2両を除いた形となっています。ただし、需要の変化に対応して、設計上は10両化にも対応しています。
乗務員室も、基本的な配置は12000系と共通。運用面での負担軽減を図っています。ただし、13000系は相鉄線内専用形式のため、保安装置「ATACS」などのJR線直通対応機器・設備は省略されています。また、13000系ではワンマン運転に対応するため、運転台上に乗降確認用のITVモニタが設置されました。ワンマン対応としては他にも、司令室から客室内に直接放送できる機能が導入されています。
13000系の運転台。基本的な配置は12000系と同じですが、「ATACS」対応スイッチなどがないほか、放送用スイッチが右手付近に追加されているなどの違いがあります 乗降確認用のITVモニタ13000系が置き換えるのは、8000系と9000系の2形式です。両形式は老朽化が進んでいたほか、特に8000系については、鶴ケ峰駅付近で進められている地下化に対応していないのだといいます。相鉄8000系が走る区間には、大和駅付近や湘南台駅付近にもトンネルがありますが、この地点は地下区間が短いため、8000系でも対応できていたそう。しかし、鶴ケ峰駅付近が地下化されると8000系では対応できないトンネル長となるため、置き換えが必要になるのだといいます。
今後置き換えが進む予定の8000系 こちらも13000系によって置き換えられる予定の9000系。なお、9000系は8000系とほぼ同時期に製造された車両ですが、「デザインブランドアッププロジェクト」に基づくリニューアルにおいて内装などが難燃化に対応したものに変更されているため、地下区間での運用に対応しているといいますちなみに、相鉄新横浜線では、羽沢横浜国大駅までは8000系が入線できる基準であるものの、羽沢横浜国大~新横浜間は8000系が入線できない「地下区間」にあたるそうです。
13000系の営業運転開始日は、3月30日。これに先立つ3月20日には、事前申込制の「おひろめ会」(すでに募集は終了)が開催される予定です。
また、2027年に開催される「2027年国際園芸博覧会」(GREEN×EXPO 2027)では、相鉄グループが出展する「SOTETSU PARK」にて、13000系の実車が展示される予定。詳細は現在検討中だといいます。