【債券週間展望】長期金利上昇か、米金利先高観や日銀副総裁講演警戒

山中英典

1月第3週(14-17日)の債券相場は、長期金利の上昇(価格下落)が予想されている。米国の金利先高観が強い上、日本銀行の氷見野良三副総裁が講演で1月の利上げに前向きな発言をする可能性に警戒感が出ている。

市場参加者の見方

◎アクサ・インベストメント・マネージャーズの木村龍太郎債券ストラテジスト

  • 米国の経済財政政策の不透明感は解消されず、米長期金利は高止まりしやすい。円金利も大きく下がることは難しい
  • 14日の氷見野日銀副総裁の講演で、今落ち着いている1月会合での利上げ期待が盛り上がってしまうことや米金利の上昇が進むと、円金利が上振れするリスクがある
  • 金利水準自体は銀行などの需要が見込めるものの、重要なイベント前で手控え姿勢が強く、金利は高値もみ合いが続くとみている
  • 新発10年国債利回りの予想レンジは1.15-1.22%

◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト

  • 日銀の追加利上げ観測が続いていることや米国債利回りの上昇を受け、日本の10年国債利回りは節目の1.1%を上回った。積極的な買い材料は乏しく、国債利回りの大幅な低下は見込みづらい
  • 年度末決算が意識される時期に入り、積極的にを買い進む動きは限られる。引き続き投資家の慎重な姿勢が目立ち、上値は重いだろう
  • 14日に5年債、16日に20年債入札が予定されている。投資家は上値追いには慎重で、国債入札は相場の上値を抑える要因になろう
  • 新発10年国債利回りの予想レンジは1.14-1.22%

国債入札

  対象年限 発行予定額

14日

16日

5年利付国債

20年利付国債

2兆3000億円程度

1兆円程度

日銀買い入れ

  対象年限 買い入れ額 15日

1年以下

1年超3年以下

3年超5年以下

5年超10年以下

25年超

1500億円

3000億円

3000億円

3250億円

750億円

主な材料

  • 14日:日銀の氷見野副総裁が講演・記者会見
  • 14日:米12月の米生産者物価指数(PPI)
  • 15日:米12月の米消費者物価指数(CPI)
  • 16日:12月の国内企業物価指数
  • 16日:12月の米小売売上高
  • 16日:欧州中央銀行(ECB)議事要旨(12月開催分)
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