【カナダで島が突如消滅→捜索の末に30km先で無事発見】衛星画像が捉えた巨大な島の正体とは(スペースチャンネル)
カナダ西部の巨大な湖で、この夏、まるで突然出現したかのような「森に覆われた島」が見つかり、大きな注目を集めました。ところが、その島は数週間後、衛星画像から忽然と姿を消します。
「島そのものが消滅したのか」「そもそも本当に存在していたのか」と謎が深まる中、島は最初に確認された場所から約30キロ離れた場所で再び発見されました。
いったい、この“消える島”の正体は何なのでしょうか。
約140メートルもの「島」が湖を漂流
ウィリストン湖©Shawn事件の舞台となったのは、カナダ・ブリティッシュコロンビア州にあるウィリストン湖です。
この湖で見つかった島は、一般的な小さな浮遊物とは比較にならないほど巨大でした。
大きさは約70メートル×140メートル。木々や草などの植物が生い茂っており、上空から見ると普通の森林に覆われた島のようにも見えます。
地元住民のロッキー・エイブリーさんが、ボートに乗っていた知人から送られてきた動画をSNSに投稿したことで、その存在が広く知られるようになりました。
あまりにも奇妙な光景だったため、ウィリストン湖を管理する州営電力会社「BC Hydro」の担当者も、当初は生成AIなどで作られた映像ではないかと疑ったといいます。
しかし、7月21日に撮影された衛星画像を調べたところ、実際に巨大な島が湖面を漂っていることが確認されました。ところが、8月5日の衛星画像では島の姿が見当たりません。巨大な森林が、湖から突然消えてしまったのです。
実際に探してみたい方は、欧州宇宙機関(ESA)が提供しているCopernicus Browserで2026年7月21日の人工衛星Sentinel-2画像をチェックしてみてください。場所はおおよそ北緯55.99度、西経123.82度付近。湖面に浮かぶ“森の島”を確認できます。
正体は「地面」ではなく巨大な天然のいかだ
8月15日時点で、中央に存在した島が消滅している©Copernicus Sentinel dataその後、衛星画像や航空機、ボート利用者からの情報などを使った捜索が行われ、島は最初に確認された場所から北西へ約30キロ離れた湖岸で再発見されました。
では、なぜ島そのものが移動したのでしょうか。実は、この島は湖底につながった通常の島ではありません。
流木や木の枝などが長い年月をかけて集まり、その上に土壌や植物が形成された巨大な「浮島」だと考えられています。
流木が天然のいかだのような構造をつくり、その上に草木が根を張ります。それがさらに長い時間をかけて成長すると、木まで生えた巨大な浮遊物になることがあります。
そして水位の上昇や強風、洪水などをきっかけに岸から切り離されると、島全体が湖の上を漂流し始めるのです。
ウィリストン湖は高さ約180メートルにもなるW.A.C.ベネット・ダムによって造られた巨大な貯水池です。
2026年は積雪量や降水量が多かったことから、6月から7月にかけてダムの運用によって湖の水位が上昇。貯水池がここまで満水に近い状態になったのは約14年ぶりだったとされています。
この異例の水位上昇と強風が重なり、湖岸にあった巨大な浮島が切り離された可能性が高いとみられています。
このまま漂流?冬には氷に閉じ込められる可能性も
陸地に寄り添うような形で島が無事保護されていることを確認。関係者は胸をなでおろした。©Copernicus Sentinel dataBC Hydroによると、ウィリストン湖でこれほど大規模な浮島が確認されたのは初めてだといいます。
現在、島は湖岸付近にとどまっていますが、この先どうなるかは分かっていません。
再び風や水流によって移動する可能性もあれば、時間の経過とともに流木などが崩れ、島そのものがバラバラになる可能性もあります。
反対に、そのまま湖岸に固定され、再び陸地の一部のようになることも考えられます。
さらに、この状態で冬を迎えれば、湖面の氷に浮島が閉じ込められる可能性もあります。春になって氷が解けると、再び湖の上を漂い始めるかもしれません。なお、BC Hydroは島に直接上陸しないよう呼びかけています。
一見すると普通の森林のようですが、その足元は腐食した流木や植物などが複雑に絡み合ってできており、非常に不安定だからです。
現時点では鳥以外の動物は確認されていません。しかし、こうした天然の「いかだ」に乗って動物が遠くまで運ばれることは実際にあり、生物が海を越えて新たな土地へ移動する原因の一つになったとも考えられています。
AIによる偽物さえ疑われた、巨大な“漂流する森”。今後、この島は再び湖を漂い始めるのでしょうか。それとも湖岸に定着し、本当の島のようになっていくのでしょうか。
皆さんは、もし目の前で森が丸ごと湖の上を漂っていたら、上陸してみたいと思いますか?ぜひコメントお待ちしています。