【独占取材】 想像を超える “AI×救命医療” 患者の急変を予測し医師を支える最新システム

「えっ、すごいね、これ」 医療機器メーカーのプレゼンを聞いて、大阪の総合病院の医師が驚きの声を上げた。診療の合間を縫って、時には半日以上かけて作成している保険の審査機関への提出書類が、最新の支援ソフトによってものの数分で出来上がったのだ。(医療機器メーカーの担当者)「AIがデータをまとめて提出先のフォーマット通りに資料を作成します」 話を聞いた医師たちは「大変な作業から解放される」と大いに期待を寄せていた。 AI(人工知能)は医療の世界でもその潜在能力を発揮し始めている。 先ほどのケースのようなデスクワークの効率化だけではない。

 救命救急の現場では、AIが“患者の死亡確率を予測する”レベルまで来ているのだ。

 関西医科大学総合医療センター(大阪府守口市)は、重症患者を受け入れる『救命救急センター』を備えた地域の拠点病院だ。 その救命センターに2025年8月、最新のAIシステムが導入された。救命救急の現場に特化したシステムで、読売テレビはメディアで初めて取材を許された。 案内されたのは、重症患者のための集中治療室(ICU)。患者の脈拍や血圧といったいわゆるバイタルサインを示すモニターが数多く置かれていた。医師がその中の一つを示した。「ICU1 16%」「ICU2 1.7%」「ICU3 2.6%」と、いったようにベッドごとに0~19%の数字が表示されていた。(関西医科大学総合医療センター救急医学科 中森 靖 教授)

「この数字は、AIが算出した48時間以内に死亡する確率です。数字が高ければ特に注意が必要な状況で、逆に数字が低ければ容体は安定しています」

 患者が48時間以内に死亡する確率をAIが算出し、10%を超えると黄色、30%を超えると赤色で表示されアラートを出す仕組みだ。 数字は5分ごとに更新され、入院時からの時系列を追うことができる上、どの検査値やバイタルサインが数字の変化に影響しているかも表示される。 救命センターの医師らはアラートが出た患者の状態をすぐに直接確認し、必要であれば治療を行う。

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