台湾、米国務省の「台湾独立不支持」削除を称賛-米中対立再燃の恐れ
- 台湾外交部、文書で示された米国の「支持と前向きな姿勢」を歓迎
- 台湾海峡の平和と安定に関心、一方的な変更に反対-米国の文書
台湾外交部(外務省)は、米国務省が米台関係に関する情報をまとめた文書「ファクトシート」から「台湾独立を支持しない」という文言を削除したことを称賛した。台湾の自治を巡り米中間の対立が再燃する恐れがある。
台湾の林佳竜外交部長(外相)は声明で、文書で示された「支持と前向きな姿勢」を歓迎すると表明。同時に民主主義の防衛を支援する規定を含む、米台関係を定めた1979年台湾関係法の「継続的な順守」について、米国に感謝の意を示した。
米国務省が13日付で更新した文書には、米国は「台湾海峡の平和と安定に持続的な関心」があり、また「いずれの側からの現状の一方的な変更にも反対する」ことが依然として記載されている。
米国務省の報道官は声明で、「通常通り、このファクトシートは、台湾との非公式な関係について一般市民に知らせるために更新された」と指摘。その上で「米国は依然として『一つの中国』政策を堅持しており、台湾海峡の平和と安定の維持に努めている」とした。
今回の出来事は、貿易、技術移転、人権問題など、すでに多くの問題を抱える米中関係において、台湾が置かれている複雑な立場を浮き彫りにしている。中国政府は、必要であれば武力行使も辞さないとして、台湾を将来的に自国の支配下に置くと明言している。
米国は台湾にとって最大の軍事支援国だが、トランプ大統領は台湾が保護の代償を支払うべきだと示唆している。台湾の対米貿易黒字を受けトランプ氏が台湾からの輸入品に関税を課す懸念も高まっている。
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バイデン前政権は2022年5月、「台湾独立を支持しない」の文言を削除したところ、中国政府から猛反発を受けたため、この文言を復活させた経緯がある。
原題:Taiwan Praises the US for Change on Independence Phrasing (1)(抜粋)