ECB、4会合連続利下げ 一段の緩和排除せず
[フランクフルト 30日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は30日、主要政策金利の0.25%引き下げを決定した。利下げは4会合連続で、昨年6月以降で5回目。インフレ低下プロセスは「オントラック」と指摘し、持続的なインフレよりも経済成長の低迷の方が大きく懸念される中、一段の金融緩和の可能性を排除しなかった。
中銀預金金利は3.0%から2.75%に下げられた。
ユーロ圏経済は低迷し、インフレ率はECBの目標の2%をわずかに上回る水準で推移している。
ECBは声明で、ディスインフレのプロセスは「順調に進んでいる」と改めて指摘。「賃金上昇は予想通りに緩やかになっている」とし、インフレに対する影響が部分的に緩和されているとの認識を示した。
ラガルド総裁によると、今回の決定は全会一致。理事会後の記者会見で「インフレ率は(2025年を通して)われわれの目標に持続的に到達していくと確信している」と述べた。
トランプ米大統領が関税を導入する意向を示す中、ラガルド氏は、貿易摩擦の増大でインフレ見通しが変化し、すでに低迷しているユーロ圏経済に対する一段の重しになる恐れがあると指摘。「経済成長に対するリスクは依然として下向きに傾いている。世界的な貿易摩擦の増大が輸出の抑制と世界経済の弱体化につながり、ユーロ圏の経済成長が押し下げられる可能性がある」と述べた。
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市場では、インフレが収束に向かう中、低迷する経済に支援が必要との見方から、ECBは年内にあと2、3回の利下げを実施すると予想されている。
景気を刺激も冷やしもしない「中立金利」は1.75─2.50%にあるとみられており、今回の利下げでECBの中銀預金金利はその範囲に一段と近づいた。ただ、米国のトランプ政権に起因する市場の変動性が強まれば、ECBに対し中立金利を下回る水準への利下げ圧力が高まる可能性がある。
PIMCOのコンスタンチン・ベイト氏は、市場ではターミナルレート(政策金利の最終到達点)は2%程度と見込まれているとした上で、米国の動静を踏まえるとユーロ圏の経済成長には下振れリスクがあり、ターミナルレートが低下する可能性があるとの見方を示した。
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