突然向けられたロシア兵の銃口 古里から逃れた19歳、見えぬ将来
ウクライナ南部出身のハンナ・ソロベイさん。大阪に避難して3年がたつ=大阪市北区で2026年2月13日、林みづき撮影
街には遺体が横たわり、焼けた後の骨が散らばっている。その臭いが鼻にこびりついて離れない。
ミサイルの音がとどろき、戦車が走り去るのが日常になった。
耳から離れないロシア語、突然向けられた銃口。少女は「地獄」となった古里を出るしかなかった。
逃れてきた日本でも、まだ将来は見えていない。
母と訪れた商店街で…
ウクライナ南部にあり、黒海に面しているヘルソン州。ハンナ・ソロベイさん(19)はこの街で、母と祖母の3人で暮らしてきた。
4年前の2月24日、ロシアはウクライナに侵攻を始めた。ヘルソン州も当初から戦闘の地となった。
15歳だったハンナさん。野菜や果物の買い出しに商店街を訪れ、母から少し離れた時だった。帽子とマスクで顔を覆い、目だけをのぞかせたロシア兵に声をかけられた。
「パスポートはあるか」
「ない」と答えると、兵士は肩から下げた自動小銃をハンナさんの額に突きつけた。
「お前、きょう死にたいか?」。ロシア語で言われ、体が凍りついた。
「冗談、冗談。気分いいからきょうはいいよ」
人に銃を突きつけておきながら、軽口をたたく行動にあぜんとした。
「戦争のない場所で生きたい」
バスに乗り込んできたロシア兵が女性を引きずり下ろす場面に遭遇したこともあった。「所持品を調べる」と告げ、女性の服をはぎ取った。
あざ笑うロシア兵。「もしかしたら自分も同じことをされるかもしれない。生きるか死ぬか……」との思いが募ってきた。
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