ニコン初のシネマカメラ「ZR」まさかのmicroSD採用には理由が? ケージも同時発売

SmallRigからZR用のケージが登場

ニコンから発表された、ニコン初のシネマカメラ「ZR」。実はこのZ R、純正品というわけではないが、開発から協力しているというリグ製品がSmallRigから登場する。9月10日現在ではホームページ上にZR用ケージキットが追加されている。

ZRの詳細については、ニュース記事を参照のこと。

動画機ではこういったリグを組んで、ハンドルを追加したり、別の機材を取り付けたりなどして現場で使われることも多い。自分から調べないとなかなか触れることがない分野にはなると思うが、YouTubeなどで検索してみると、動画クリエイターらが自分の装備などを紹介している。

やはり純正ではないので、装着後のトラブルは自己責任になることからも、あまりメーカーが公式でアピールしていることはないのだが、SmallRigから登場するZ Rのリグについては、設計から協力しているとのことだ。

グリップ型は、単純にグリップ部分が拡大されるため、握ったときの安定感が増すが、動画の歩き撮りなどをするのであれば、やはりケージ型の方が、上部やサイトにハンドルを付けることができるので、安定しやすいだろう。

装着しているのがケージ型。右側がグリップ型
大型のバッテリーも付けつつ手持ち撮影できるケージも(写真はバッテリー未装備)

なお、現時点では上ハンドルを付けてしまうと、せっかくのショットガンマイク「ME-D10」が装着できなくなってしまう。マイクを避けて装着できるハンドルが登場してくれるとありがたいところだ。

ちなみにZRは、先日登場したSレンズ「NIKKOR Z 24−70mm f/2.8 S II」と組み合わせても使いやすい。レンズが伸びず、この大きさに反して軽量なので、意外と負担が少なく撮影できそうだ。写真はケージ未装着だが、ケージを装着してこちらのレンズを使えばさらに安定しそうだ
バッテリーとCFexpress Type-Bスロットの間にmicroSDカードスロットがある

ZRの意外な特徴という点では、microSDカードを採用したという点も気になるところ。元々のコンセプトから、小型軽量であることを第一にしていたそうで、このボディの大きさを維持してかつCFexpress Type-Bの採用が決まっていたのだとか。

しかし、プロ機として載せることができるのであれば、2スロットの安心感もほしいということで、この大きさをキープしたままもう1スロット載せられるのがmicroSDカードスロットだけだったというのが理由だそうだ。

CFexpress Type-Aであれば2スロットも可能なのではと思ったのだが、やはり書き込みのスピードの点や、これまでのカメラにも採用しているType-Bが譲れなかったとのことだ。

しかも、現在のmicroSDカードは大容量化と低価格化も進み、UHS-Iでもスピードクラス3のmicroSDカードを使用すれば、H.265の4K60p撮影までは行なえるという。また、カメラ本体にはメディアの種類によって制限を掛けているわけではないそうで、「書き込みスピードが追いつかなくなって停止」という状態にならなければ一応録画開始することはできるそうだ。詳しくは対応カード一覧のページも参照してほしい。

トラブル発生時にクラス3のmicroSDカードが手に入れば、とりあえず撮影できるという、保険的な見方や、microSDカードサイズであれば様々なところに忍ばせておくこともできるなど、microSDカードならではの利点も活かして触れてみるのも良いかもしれない。

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