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【8月6日 AFP】イスラエルは、占領するパレスチナ自治区ヨルダン川西岸の入植地にある放棄されたワニ養殖場で、ナイルワニ200匹以上を殺処分したと発表した。ワニが共食いに走り、人に「重大な危険」を及ぼしていたとしている。

イスラエル国防省傘下の「占領地政府活動調整官組織(COGAT)」に4日の声明によると、ワニは「放棄された養殖場の動物虐待に当たる劣悪な環境下で、十分な餌が得られない状況に置かれたことで、共食いに走った」。

2013年に養殖場が閉鎖された後、敷地のフェンスが劣化したことで、複数のワニが脱走し、「近隣のコミュニティーや自然保護区」に入り込んだ。

養殖場の所有者がフェンスの修理を拒否したため、COGATは12年にわたり解決策を模索してきたが、「ワニを人道的に殺処分することで、この危険に直ちに対処する必要がある」との結論に至ったという。

今年、10代の若者がワニに石を投げつける動画がソーシャルメディアで拡散し、当局は対策に乗り出した。

ヨルダン渓谷にあるイスラエル人入植地ペツァエルにあるこの養殖場は、1990年代に観光客向けのワニ園としてオープンした後、ワニ皮を採取するための養殖場へと転用された。だが、2013年にナイルワニを保護種とする法律が成立したのを受け、閉鎖された。

イスラエルの動物愛護団体「Let the Animals Live」は、「人を襲ったことは一度もない」にもかかわらず、262匹のワニが殺処分されたと非難した。

養殖場を30年間所有してきたガディ・ビタン氏は、イスラエルのニュースサイト「Yネット」に対し、殺処分は3日に実施されたが、事前の通告はなかったと述べた。

ビタン氏は、「これは紛れもなく処刑だった」「ワニは健康状態も良く、餌も十分に与えられており、重大な事故も報告されていない」と述べた。(c)AFP

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