「逆指値・成行売り」で乗り切る!ホルムズ海峡封鎖で混乱のマーケットを守りながら攻める(窪田真之)

 イラン戦争によるホルムズ海峡封鎖が一部緩和される期待があり、WTI原油先物(期近)は乱高下しつつも、1バレル=100ドルを割る水準で推移しつつあります(3月25日時点)。

 イランが、敵対しない国のタンカーはホルムズ海峡通過を容認する可能性を示唆し始めたからです。ホルムズ海峡を通過して輸出される石油および石油精製品の行く先で、1番大きい国は中国です。2番目に大きいのがインド。3番目が日本で4番目が韓国です(2025年の実績)。

 中国は、欧米によるイランへの経済制裁が続いている間に、イランに接近し経済関係を深めてきた経緯があります。イラン原油の最大の買い手であり、イランが原油収入を得るためにも、中国のタンカーはホルムズ海峡を通行できるようになる期待があります。

 インドも、イランと直接対立する国ではなく、交渉を通じて、一部インド向けのタンカーがホルムズ海峡を通過したとの情報も出ています。中国・インド向けのタンカーがホルムズ海峡を通過するようになれば、それだけでも世界の原油ひっ迫は一部緩和されます。

 日本のタンカーが通行できるようになるか分かりませんが、イランのアラグチ外相は、日本と交渉の余地があると述べています。

 こうした一連の報道を受けて、原油先物はやや低下してきていて、それが日本株の反発に寄与しました。

 一方、米イラン戦争は停戦が見通せません。戦争長期化・米国内のガソリン価格高騰を受けて、大統領支持率が米国で低下しており、トランプ大統領は停戦を急いでいます。ただ、イランは停戦を拒否したとの報道もあります。

 トランプ大統領は、イランが停戦を拒否すれば、さらに攻撃を強化すると表明し、イランはそうなればホルムズ海峡を封鎖すると表明しています。停戦に向けた協議がパキスタンで開かれる見通しで、水面下で停戦に向けた動きが進んでいると思われるものの、情勢は錯そうしていて、先行きが見通せません。 

日本株への投資を再開したいが下値リスクは払拭されていない

 日本株は割安で長期的には良い買い場と考えています。ただし、ショック安はまだ終わっていない可能性もあります。3月は、中東危機をきっかけに世界株安となりましたが、中東危機だけではなくAI過剰投資の不安や米ノンバンク信用不安も影を落としています。

 投資は少しずつ、慎重に行っていくべきです。こんな時、守りながら攻める方法として、逆指値売りを使う方法があります。保有銘柄の想定外の急落に備えて、「逆指値・成行売り」注文を入れておくことも考えて良いと思います。

「逆指値・売り」注文とは

 一言でいうと、「想定外の株価下落に備える損切り予約」です。

「ここまで株価が下がってしまったら、さらなる下落によって損失がどんどん拡大する可能性がある」と考えられる株価水準を決め、「そこまで下がったら、自動的に売り注文が出る」ように予約しておくのが、「逆指値・売り」注文です。

 逆指値注文には、逆指値の成行売り注文と、逆指値の指値売り注文があります。私は、損切り予約として使うのは「逆指値・成行売り注文」に限るべきと思います。このレポートでは、逆指値・成行売り注文に絞って、説明します。

<逆指値・成行売り注文のイメージ図> 

出所:楽天証券経済研究所が作成

 それでは、具体例で説明します。株価が1,000円でついている時、1,100円に指値売り注文を入れることができます。また、900円で逆指値の成行売り注文を入れることもできます。

<指値売りと逆指値売り>

出所:楽天証券経済研究所が作成

 A社株が、1,100円まで上昇し、あなたが入れた指値売り注文にヒットすれば、1,100円で利益確定売りが成立します。一方、A社株が下落し、900円をつけた時は、損失確定の成行売り注文が出されます。

 その時点で、900円に指値の買い注文が残っていれば、900円での損切りが成立します。900円の買い指値がなくなっている場合は、それより下の、一番高い価格に入っている買い指値にヒットして、売ることになります。

 逆指値の成行売り注文を入れておけば、きっちり損切りできます。株価をずっと見ていると、いろいろ迷って損切りできなくなる人も、損切りできるのがメリットです。

出所:楽天証券経済研究所が作成

「億り人」は損切り達人

 株のトレーディングで1億円以上の金融資産をつくった人を「億り人」と呼びます。億り人の成功談に、「この銘柄を買ったら株価10倍になった!」のような話がたくさん出てきます。

 ただし、どんな投資の達人でも、選ぶ銘柄で百発百中はあり得ません。たくさんの銘柄をトレードしているうちに、「そのまま持っていたら株価が半値になっていた!」という銘柄も多数あるはずです。

 そういう失敗銘柄を、暴落初期にすばやく損切りできないと、億り人にはなれません。「保有し続けていたら半値になっていた銘柄を、暴落初日に10%の下げで損切りした」というような「損切り成功談」が、億り人にはたくさんあるはずです。

 一般の個人投資家が、機関投資家やデイ・トレーダーに対して不利な点は、「日中、常に相場を見ていることができない」ことです。投資銘柄に想定外の悪材料が出て急落する時、大きな損失を抱える前にすばやく損切りすることは、長期のパフォーマンス向上にとても大切です。

 ところが、個人投資家の場合、家事・育児に忙しかったり、会社で仕事中だったりして株価を見ていないうちに大きく下がってしまうことがあります。

 そうならないように、値動きの荒いテーマ株に投資する場合は、逆指値・成行売り注文を入れておくべきと思います。

逆指値の成行売り注文を、しっかり使いこなす

 逆指値注文には、売り注文も、買い注文もあります。意味を説明すると、以下の通りです。

◆「逆指値売り注文」:指定した価格まで、株価が「下がった」時、出される「売り」注文 ◆「逆指値買い注文」:指定した価格まで、株価が「上がった」時、出される「買い」注文

 株式投資の初心者の方は、逆指値の成行売り注文だけ覚えて、使っていただければOKです。逆指値買い注文は、信用取引で信用売りしたときなどに使うくらいで、通常の取引で使うことはほとんどありません。

 なお、逆指値注文は、米国株でも出すことができます。以下の説明もご参照ください。

【米国株】逆指値注文の仕組み

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