王者の“タラレバ”が招いた波紋…ノリス、フェルスタッペンの挑発を「ナンセンス」と一蹴

ランド・ノリス（マクラーレン）は、タイトルを争うマックス・フェルスタッペン（レッドブル）から繰り出された“口撃”に真っ向から反論した。フェルスタッペンが放った「もし自分がマクラーレンに乗っていれば、とっくにタイトルを決めていた」という主張を「ナンセンス」と切り捨てた。

シーズンは残り2戦。カタールGPの結果次第では、ノリスにとって自身初となるドライバーズタイトルが決定する。一方、フェルスタッペンは逆転の望みを最終戦アブダビに繋ぐためにも、現在の25ポイント差をこれ以上広げられるわけにはいかない。

王者のタラレバ「僕らがあのクルマなら、もう終わってる」

フェルスタッペンは週末を前に、2026年を「5度の王者」として迎える可能性について問われ、こう語っていた。

「4回より5回の方がいいに決まっている。もし実現しなくても、僕の人生が変わるわけじゃないけどね。もう一度勝てれば最高だけど、現実的に見れば、僕らがまだ戦いに留まれているのは他の人の失敗のおかげであって、シーズン全体を見れば、僕らの功績じゃない」

そして、マクラーレンの今季の支配力について触れ、こう続けた。

「僕らは本当によくやったよ。ほぼすべてのレースで最大限の結果を出してきた。もし僕らが彼ら（マクラーレン）のような支配的なクルマを持っていたら、チャンピオンシップはずっと前に終わっていただろうね」

確かにマクラーレンは、6戦を残してコンストラクターズタイトルを決める圧倒的な強さを見せてきた。にもかかわらず、フェルスタッペンは、一時は100ポイント以上もあったマクラーレンのリードを削り、2戦を残してタイトル争いに踏みとどまっている。

フェルスタッペンを抑えて3位を確保したスプリント後、ノリスはこの発言について問われると、敬意を示しつつも鋭く切り返した。

「マックスは好きなことを言えばいいと思う。本当にそう思う。4回もワールドチャンピオンを獲っているわけだし、その権利は十分ある。彼のことはすごく尊敬しているし、誰から見てもそれだけの実績を積んでいる」

「彼は信じられないほど多くのことを成し遂げてきた。誰もが夢見る以上のことをね。だから、まあ、マックスは多くを理解しているけれど、同時に、分かっていないことも結構ある」

そして、レッドブルの“言動スタイル”にも言及した。

「攻撃的というか、よくナンセンスなことを言ったりするけど、これはレッドブルのやり方でもあるよね。僕らチームとしては集中し続けるだけだけど」

「もしかしたら彼ならそう（もっと早くタイトルを獲れていた）かもしれない。でも現実はそうじゃないし、今は僕らを倒すためにまだ戦っている最中だよね」

結局のところ、タイトルの行方を決めるのは言葉の応酬ではなくコース上での走りだ。

決勝レースのグリッドは、オスカー・ピアストリがポールポジション、ノリスが2番手、そしてフェルスタッペンが3番手。タイトルを争う三者全員がトップ3からスタートする。

ロサイル・インターナショナル・サーキットはオーバーテイクが非常に難しい。スタート直後のターン1が、タイトル争いの行方を決定づける最大の山場となる可能性がある。

2025年F1カタールGP予選では、オスカー・ピアストリ（マクラーレン）がスプリント予選に続いてポールポジションを獲得。2番手にランド・ノリス（マクラーレン）、3番手にマックス・フェルスタッペン（レッドブル）が続く結果となった。

決勝レースは日本時間11月30日(日)25時にフォーメーションラップが開始され、1周5419mのロサイル・インターナショナル・サーキットを57周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。